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【小松礼雄のF1本音コラム】ピット作業ミスからの成長。今後は「中団グループのトップにいないといけない」

2018年04月27日 12:21  AUTOSPORT web

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2018年シーズン、ハースF1はパフォーマンスはあるものの、大量得点のチャンスを逃している
現役日本人F1エンジニアとして、ハースF1でチーフを務める小松礼雄エンジニア。F1速報サイトで好評連載中のコラムの一部を掲載。現在のF1で起きている真相と、現場エンジニアの本音を読者のみなさまにお届けします。

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 第1戦オーストラリアGPはダブル入賞のチャンスだったにも関わらず、2台連続でピット作業時にミスを犯し、ケビン(マグヌッセン)もロマン(グロージャン)もリタイアに終わりました。シーズン開幕までにしっかりとした準備をできていなかったことは、チームを運営する立場にいる僕たちの力不足で大きな反省点となりました。

そこで第2戦バーレーンGPまでの2週間に、どうしてあのミスが起こってしまったのか、その原因を探るべく、すべてを一から見直しました。ピットクルーの配置、練習のやり方、問題が発生した場合の手順、フリー走行の進め方、アプローチの仕方など全てを見直した結果、第2戦バーレーンGPでの5回のピットストップはすべて成功することができました。

 やはり、何か問題が起きたとき、壁に当たった時に、どうまた立ち上がるかっていうのが一番大切なことです。もちろん、最初から問題を起こしてはいけないのですが、起きてしまったからにはすぐに対処して次のレースでしっかりと修正できたことは、チームみんなにとって大きな自信になりました。

 バーレーンGPの決勝ではケビンが5位入賞を記録しましたが、マシンの速さを考えると4位でフィニッシュしなければいけなかったと思います。バーチャルセーフティカーが解除され、再スタートの際にケビンが一気に(ピエール)ガスリーに仕掛けたのですが、うまくいかずにコースオフしてしまいました。

あの時点では無理をせず、ターン1まで我慢してぴったり後ろについていってから仕掛ければ、たぶん一発でオーバーテイクできたと思います。そうすれば4位が獲れていたと思うので、あれはちょっと経験不足が出てしまったかなと思います。しかし、それ以外は落ち着いて良いレースをしてくれました。

 一方のロマンですが、レース途中で左側の空力パーツが壊れて飛んでいってしまいました。しかも、その影響でバージボードの取り付けが弱くなってしまい、ある時点でバージボードも壊れてしまったんです。

 ドライバーは突然グリップがなくなったと無線で伝えてきましたし、データでもかなりのダウンフォースを失っていたので予定外のピットインをせざるを得ませんでした。この際に壊れたバージボードがクルマの下に挟まっていたのが判ったので、それを取りぞき、また、コースに送り出しました。

 その後は、バージボードがない状態でも結構いいペースで走れていたので、もったいなかったです。何より走行中にパーツが壊れるのは大問題なので、すぐに対策をしなければいけません。


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