フォルクスワーゲン・モータースポーツは開発中の新型ラリーマシン『フォルクスワーゲン・ポロGTI R5』を10月25~28日に行われるWRC世界ラリー選手権第12戦スペインで実戦デビューさせると発表した。
フォルクスワーゲンが開発を進めているポロGTI R5は、ラリー界で人気を博すカスタマー向けカテゴリーのR5規定に沿った1台。これまでペター・ソルベルグやマーカス・グロンホルムらも加わってのテストが繰り返されている。
同社は2018年下期のデリバリー開始を目指していたが、このポロGTI R5を「ラリーにおけるフォルクスワーゲンの新たなチャプター」と位置づけており、開発に万全を期すため当初は夏に取得予定だったホモロゲーションを2018年10月1日まで延期すると決断。
あわせて実戦デビューの時期も遅れる形となったが、「入念に検討を重ねった結果」、2013年にフォルクスワーゲンがWRCで初タイトルを獲得したラリー・スペインで実戦デビューを果たすことになった。
「開発テストはすべて順調に進んでいて、ドライバーからも本当にポジティブなフィードバックが得られている」と語るのはフォルクスワーゲン・モータースポーツのスベン・スミーツ代表。
「非常にいい反応を得ているが、我々はホモロゲーション取得前にもう少し改良を加えたいと思っているんだ」
「ラリー・スペインは我々がWRCで初タイトルを獲得した地で、あの瞬間を忘れたことはない。イベントはターマック(舗装路)とグラベル(未舗装路)が入り混じるミックスサーフェスで争われるから、我々のマシンを戦わせるには最適な1戦なんだ」
また過去にセバスチャン・オジエのレースエンジニアを務め、現在は開発プロジェクトを率いているジェラルド・ジャン・デ・ジョンは「カスタマー向け車両はワークスチーム向けのラリーカーよりも高い完成度でなければならない」とホモロゲーション取得を延期した理由を説明する。
「一度ホモロゲーションを取得してしまうと、チームは一切マシンに手を加えることはできないからだ。だから、我々はもう少し開発に時間を割くことにした。カスタマーには高い完成度と速さを兼ね備えたポロGTI R5を供給したいんだ」