アゼルバイジャンGPの木曜日のFIA記者会見の出席者は、前戦中国GPで良い成績を残したダニエル・リカルド、ニコ・ヒュルケンベルグ、ケビン・マグヌッセンの3人だった。
まず優勝したリカルドには、今シーズン限りでレッドブルとの契約が切れるため、2019年のシートについての質問が相次いだ。この質問は昨年の末ごろから度々、尋ねられてきたもので、そのたびにリカルドは、同じような答えを繰り返し、それは今回も例外ではなかった。
「僕にどんなオプションがあって、最終的にどのクルマが最速なのかってことが、シートを決める際の最も重要なこと。ただ単に変化を求めてほかのチームに行くなんてことはしない。確実にいまよりも状況が良くなるという確信がないと移籍はしない」
これだけ同じような質問が繰り返されると、普通のドライバーは態度が悪くなるものだが、リカルドは終始笑顔で答えていた。そんなリカルドがある質問には真顔で否定する場面があった。それは「フェラーリとの間に事前合意がなされているのではないか?」とイタリアのメディアが報じていることに関する質問だ。
これをリカルドは即座に否定した。
「それは事実じゃない。それだけははっきりと言っておきたい」
ヒュルケンベルグには、記録に関するこんなユニークな質問が。
「あなたは昨年のメキシコGPから前戦中国GPまで連続して予選で7位を獲得し、なおかつ最近の27グランプリの予選でチームメイトに1回しか負けていませんが、これはあなたが一段階、上のレベルに成長したと考えていいのでしょうか?」
するとヒュルケンベルグは「じつは(7位)を狙っていたんだ。きれいに数字を並べようとね」と冗談を言うも、誰も笑わなかったので、「昨年から、マシンが良くなったんだ。レギュレーションが変わって、ダウンフォースも増えて、アタックしていて楽しいよ」とまじめな回答に変更していた。
ヒュルケンベルグよりも何倍もまじめなマグヌッセンは、絶対に脱線することがないためか、会見の冒頭の代表質問以外で、単独での質問は1つもなかった。ということで、貴重な代表質問でのやりとりを紹介しよう。
「今シーズンは、これまでのどのシーズンよりも開幕から好調ですね?」
するとマグヌッセンは、良いスタートが切れたことには同意しながらも、こうコメントした。
「まだシーズンは長い。これから、僕たちがどれだけマシンを進化させることができるかが重要だ。特にルノーやマクラーレンは僕たちより大きなチームだからね」
あれれ、フォース・インディアとトロロッソ・ホンダはどこへ行ったの? まじめな中にも、本音がちらりと見せてくれたマグヌッセンだった。