全日本ロードレース選手権第2戦鈴鹿JSB1000クラス決勝を、野左根航汰(ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チーム#5)はレース1で3位表彰台、レース2で転倒を喫し20位という対照的な結果で終えた。
「クリアラップをとれれば予選で2分5秒台に入れられたと思います。そこで出せなかったのが、今の自分の実力です。中須賀選手は2分4秒台で、確実に差があります。そこを埋めていくのが最大の目標ですね」
土曜午前に行われた予選について、野左根はそう振り返った。野左根は2分6秒221の予選タイム、対して中須賀は2分4秒876という驚異のタイムでコースレコードを更新している。
迎えたレース1は終盤まで渡辺一馬(カワサキ・チームグリーン)を先頭に、2番手に中須賀、そして高橋巧(チームHRC)、野左根、渡辺一樹(ヨシムラ・スズキMOTUL)の5台がトップ集団を形成した。野左根は終盤に渡辺一樹、ポジションを落とした渡辺一馬と3位争いを展開。最後ラップまで表彰台の最後の一角を争った。
「スタートは悪くはなかったのですが、周りも速くて、うまくペースをつかめませんでした。一樹選手は常にアグレッシブで、だからこそこちらも負けてはいられなかったです」
しかし、最終ラップの1、2コーナーで渡辺一樹をオーバーテイクしたときには、開幕戦での転倒が頭をよぎったという。野左根は第1戦もてぎのレース1、終盤に転倒を喫して表彰台争いから脱落している。
「一樹選手をパスした第1~第2コーナーでは、開幕戦のレース1で他車と接触して転倒したときと同じ状況だったので攻めるのを一瞬ためらいましたが、ここで行かないと、と思い攻めきりました。そして最後の130Rでは、僕も限界までブレーキを遅らせていて、それ以上にブレーキを遅らせていた一樹選手がコースアウトしました」
「トップの中須賀さんと巧選手には引き離されましたが、接戦を制して3位になれたので良かったと思います」
一方、翌日に行われたレース2は、野左根にとって厳しい結果となった。3番グリッドからスタートした野左根は2周目の130Rでほかのライダーと接触しかけてオーバーランを喫し、9番手にまでポジションを下げる。16周目には7番手にまで順位を回復するが、翌周の最終シケインで転倒。20位でフィニッシュした。
「スタートで出遅れてしまいましたが、2周目の130Rでは他車と接触しそうになりオーバーランしてしまいました。レース中盤と終盤のペースは、レース1よりも良くなりましが、僕の勝負ポイントであるヘアピンや最終シケインでうまくマシンが機能しなくて、苦しい展開になってしまいました」
野左根はこの日のレースについて「全体的にレースの組み立て、内容が悪かったです」と反省の弁。しかし、「次のオートポリスは好きなコースなので、ここから巻き返していきます」と次戦の巻き返しを誓った。