FIAがエキゾーストブローイングに関する新たな規制をチーム側に通達したが、そのきっかけになったのは、フェラーリSF71Hに対して疑惑が生じていたからであるとの説が浮上している。
排気を利用してダウンフォースを増加させるエキゾーストブローイングは現在禁止されているが、昨年からリヤウイングの位置が低くなったことで、チームのなかで再びこれを利用する道を探る動きが出てきている。ルノーは今年、排気をリヤウイングの方に向けるような排気管を取り入れ、注目を集めた。
フェラーリの元デザイナーで、現在はFIAでシングルシーターの技術面を取り仕切っているニコラス・トンバジスは、こういった排気管のレイアウト自体は違法ではないものの、排気流を効率的に利用するための特別なエンジンモードは禁じるという内容の通知をチーム側に出した。
スペインのMarca紙は、FIAがこういう行動を採った原因は、中国でコーナーでのフェラーリのエンジン音に違和感を感じ、疑いを持ったからであると伝えている。
「SF71Hが排気をリヤウイングに吹き付けるための特別なエンジンモードを使用しているという疑いが浮上している」とMarcaの記者マルコ・カンセコ氏は記している。
トンバジスはフェラーリのエンジンマップについて詳細な調査を行っているという。
さらに、今年セバスチャン・ベッテルのステアリングホイールに設置されている3番目のミニパドルについても、FIAは注目していると報じられている。現時点ではライコネン車にはなくベッテルだけが使用しているこのパドルが、特別なセッティングに切り替える目的で設置されているのではないかとの推測も持ち上がっている。
フェラーリは、このミニパドルの機能について明かしてはいないものの、エンジンマップセッティングの変更のために使われているという説は打ち消した。