マイナビは4月26日、「2018年マイナビ新入社員意識調査」の結果を発表した。調査は今年3~4月に実施し、同社が提供する新入社員研修に参加した各企業の新入社員2639人から回答を得た。この調査は2011年から実施し、今回で8回目となる。
仕事とプライベートのどちらを優先したいかを聞くと「プライベート優先の生活を送りたい」が63.2%で過去最高。「プライベート優先」と「仕事優先」は2015年に逆転した後、その差は徐々に広がっており、今回は26.5ポイント差となった。
同社は「『ワーク・ライフ・バランス』という概念が浸透するにつれ、新入社員にも個人の生活を優先したいという意識がさらに広がっていることがうかがえる」としている。
人材確保のための賃上げ、出世意欲の増加で「理想の年収」アップ
「仕事に期待している」と回答した人は調査開始以降、減少傾向にあった。しかし今回は過去最高の74.1%で、前回より6.1ポイント増加した。同じく年々減少していた「仕事を通じて叶えたい夢がある」も前回(67.3%)から4.5ポイント上り71.8%となった。
また2015年から減少していた出世意欲も今回は91.9%で前年比3.6ポイント増。男女別に見ると男性は前年比1.9ポイントの95.3%、女性は5.3ポイント増の86.4%となり女性の伸び率が大きい。今年の新入社員について、仕事に対して総じて前向きな姿勢で「売り手市場が進む中、不安要素の少ない世代」と説明する。
その理由としてインターンシップへの参加も増え、新入社員自ら多くの選択肢の中からすすんで企業を決めたという意識が強いこと、内定辞退防止のため企業側の手厚いフォローがあったことが挙げられる。今年の新入社員は企業からの期待も強く感じており、不安より期待が大きかったのではないかと推測される。
30歳時点での理想の年収を聞くと、前年は「400万円台」(27.1%)が最も多かったが、今年はトップが「500万円台」(22.4%)となった。また「600万円台」(16.5%、前年比3.5ポイント増)、「700万円台」(9.5%、5.1ポイント増)が前年より増加している。
一方、「300万円台」(11.3%)は6.2ポイント減。人材確保のための賃上げや、初任給の引き上げなどの話題がある中で、前述した出世意欲の増加もあいまって理想の年収も上がったと考えられる。