2018年シーズンMotoGP第3戦を終え、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ・チーム)がランキングトップに立った。一方、チームメイトのホルヘ・ロレンソは苦戦。アメリカズGPについて「早く忘れたいレース」だと苦しいコメントを吐き出している。
ドヴィツィオーゾはアメリカズGPで、予選8番手を獲得。3列目からスタートすると、ヨハン・ザルコ(モンスター・ヤマハ・テック3)やカル・クラッチロー(LCRホンダ・カストロール)とポジション争いを繰り広げた。ドヴィツィオーゾはその後、16周目にザルコを交わして5位でチェッカーを受けている。
これにより、ドヴィツィオーゾはチャンピオンシップでランキングトップに浮上。ドヴィツィオーゾは「今日はかなり苦労させられた」とレースを振り返りつつも、「チャンピオンシップのリーダーとしてヨーロッパに戻れることが嬉しい!」と喜んだ。
「今シーズンは(第2戦)アルゼンチンや(第3戦)オースティンでもっと戦えると期待していたが、2017年と状況は変わっていなかった。だが、昨年はポイントリーダーに大きく離された状態でヘレスへ向かったが、今年はランキングトップに立っている」
ランキングトップのドヴィツィオーゾと2位マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)との差はわずかに1ポイント。さらに、8ポイント差以内に5人のライダーがひしめく接戦だ。そんななかランキングトップにつけるドヴィツィオーゾについて、ランキング2位のマルケスは「最も安定したライダー」だとコメントしている。
確かに、ドヴィツィオーゾは開幕戦カタールGPで優勝したあと、第2戦、第3戦と表彰台を逃した。それでも堅実にポイントを獲得している。ドヴィツィオーゾ自身は、3戦までを終えた2018年シーズンについてこう語っている。
「今年は接戦のレースが続いているが、それでも我々は着実に進歩している。今週末も、立ち上がりがかなり悪かったにもかわらず、正しいセットアップ、フェアリング、タイヤ選択を行って、いいリザルトを持ち帰ることができた。チャンピオン争いを考えると、これは重要なことだね」
■11位でレースを終えたロレンソ、「とっとと忘れたいレース」
一方、ドヴィツィオーゾのチームメイト、ホルヘ・ロレンソは苦戦したアメリカズGPとなったようだ。6番グリッドからスタートしたものの、中盤以降にじりじりと順位を落とし、最終的に11位でチェッカーを受けた。
ロレンソはアメリカズGPについて「僕にとってはとっとと忘れたいレースだ。本当にガッカリしているし、悲しい気持ちだ」とその胸中をあらわにする。
「1周たりとも戦闘力のあるペースでラップすることができなかった。恐れていたとおり、ユーズドタイヤでまったくペースが上がらなかった。そのせいでスローダウンするより他はなかった」
「今は厳しい時期だが、シーズン当初から起こっていることをしっかりと分析しなければならない。ヘレスをきっかけにこのネガティブなトレンドを逆転させたい」
ロレンソは第3戦までを終えた時点で、ランキング16位。早くもチームメイトに水をあけられた形となっている。ドヴィツィオーゾが2017年シーズンの強さを維持し続けるのか、ロレンソがタイトルホルダーとしての意地を見せるのか。明暗分かれつつあるドゥカティ・チームのふたり、ヨーロッパラウンドでその差はいかほどになるだろうか。