ブランパンGTシリーズを運営するSROモータースポーツグループは4月25日に声明を発表。4月20~22日に行われたブランパンGTシリーズ・エンデュランスカップ第1戦モンツァでランボルギーニ・ウラカンGT3に追加のBoP(性能調整)を施した理由を説明した。
ブランパンGTを運営するSROは、各メーカーが製造するFIA-GT3カーの性能を均一にするべく、シーズン開幕前にテストを行い、そのデータを元にしてマシンごとにBoPを課している。
このBoPは基本的にレースウイーク中に変更されることはないが、第1戦モンツァではフリープラクティス終了後、ウラカンGT3に対し15kgのウエイトが追加される措置が取られていた。
これに対し、ランボルギーニからワークスサポートを受けるGRTグラッサー・レーシング・チームはFacebook上で「これまでどんなGT3カテゴリーでも起きたことのない事例だ」と批判の声を挙げていた。
「フリープラクティス後に15kgのエキストラBoPを与えられた。これにより(アウディR8 LMSなどの)姉妹車より合計で35kgも重量が重くなってしまった」
「こんな特殊な“罰”は、いままでどんなGT3カテゴリーでも起きたことのない事例だ」
これに対し、SRO側は「今回、ランボルギーニ・ウラカンGT3に15kgのエキストラBoPを課したのは、ディフェンディングチャンピオンであるGRTグラッサー・レーシング・チームがこれまで好成績を残してきたからではない」と反論。
「今回の措置は、フリープラクティス中にエンジンパワーが増大していることが確認できたゆえのものだ」
「2回のフリープラクティスセッション中、GRTのものを含む複数のランボルギーニ・ウラカンGT3のエンジンパワーがBoPの数値を決定したオフィシャルBoPテストの時より高いことを確認した」
「これを受けてシリーズのテクニカルディレクターはスポーティングレギュレーションの第101条を利用して、レースウイーク中にBoP数値を変更した」と説明している。
なお、GRTはBoP変更後に行われた予選で、参戦する3台が13番手、20番手、37番手という順位に留まったものの、決勝はエースカーの63号車ランボルギーニ(アンドレエア・カルダレッリ/クリスチャン・エンゲルハート/ミルコ・ボルトロッティ組)がレース展開を味方につけて総合4位でチェッカーを受けた。
また、決勝レース中のトップスピードでも63号車ランボルギーニは姉妹車のランボルギーニ・ガヤルド R-EXとともに全体トップタイとなる283.46km/hのマキシマムスピードをマーク。
さらに僚友82号車ランボルギーニは2015年型ニッサンGT-RニスモGT3と並ぶ281.98km/hで3番手タイに。19号車ランボルギーニもトップ5につけるなど、モンツァでのストレートスピードについては、ライバル勢に対してアドバンテージがあったといえるデータが公表されている。