トップへ

関ジャニ∞ 渋谷すばる&大倉忠義がそれぞれ明かした思い 脱退会見後のラジオで語られたこと

2018年04月25日 07:02  リアルサウンド

リアルサウンド

写真

「一方的で本当に申し訳ないんですが、どうか受け止めていただき、そして何よりこれからの6人の関ジャニ∞というのを……どうか応援していただけたら、僕としても(これほど)嬉しいことはないと思います。うん……これ、このまま放送してください」


(関連:関ジャニ∞ 大倉忠義、脱退決めた渋谷すばるへの“本音” 会見前ラジオでの発言から考える


 関ジャニ∞の渋谷すばるが、グループの脱退とジャニーズ事務所の退所を発表したのが、4月15日のこと。そして4月21日、渋谷のラジオ『関ジャニ∞ 渋谷すばるのスバラジ』(NACK5)が会見後初のオンエアを迎えた。番組冒頭から「4月21日ということでございます。記者会見させていただきましたのが、昨日です。僕は今、16日の月曜日に収録しているんです」という言葉で始まり、約7分間に渡って本音が語られた。編集は、一切加えられなかった。


 渋谷の口から語られたのは、脱退を決断して事務所やメンバーに伝えたときには、すでにベストアルバム、そして夏のツアーの制作が始まっていたこと。渋谷自身は、最後まで責任を持ってやるつもりだという意志を伝えたこと。そしてメンバーと事務所の話し合いによって、このツアーから6人体制でいくと決まったこと……。「6人は多分ものすごく悩んだと思うし、苦渋の選択だったと思うんですね。(ツアーのステージに)7人で立つことがeighterにとってはいいのかもしれない。でも、俺が自分勝手な理由で抜けるかもしれないけれど、残された6人は続けてかなあかんし、この関ジャニ∞というものを守っていかないといけない。だから、今だけ良ければいいんじゃないんですね。今だけが良くて、それでグループがダメになっちゃったら、それが一番eighterを悲しませることになる。だから、申し訳ないけれど、グループを守って、さらに大きく強くしていくために、もうこの段階から6人でという体制を、彼らとしても作っていかないと、という気持ちは痛いほどわかるので……」。


 渋谷の言動は、まさに立つ鳥跡を濁さず。旅立つ者が持たねばならない、責任と覚悟を感じさせる強さが際立った。そして、いつもどおりの明るいトークを繰り広げる渋谷に、“自分は大丈夫だから、残るメンバーとファンが少しでも笑顔でいてほしい”という願いをひしひしと感じた。渋谷の言葉に嘘偽りはない。だが、言葉にならなかった思いもそこにはあったはずだ。それはオンエアされる楽曲に投影されていたように思う。<男 裸一貫 生まれたからには 燃える心ひとつで夢を追いかける>と奮起させる「あおっぱな」、それでも<せつなくて 悲しくて 恋しくて泣きたくなる>と感傷的な「恋しくて」、そして<…本音じゃ怖くて仕方ねぇ>と赤裸々に歌う「へそ曲がり」。自分で去ると決めたからには、弱音は吐くまい、と言い聞かせるように。


 「すばるくんも、今はちょっとひとりになって寂しい思いも孤独な思いもしてるだろうし……」。時をほぼ同じくして生放送されたラジオ『オールナイトニッポンサタデースペシャル 大倉くんと高橋くん』(ニッポン放送)では、渋谷の言葉にならない心情を汲み取るように、大倉忠義が関ジャニ∞を守っていく側の思いを語った。「僕たちのグループって何もなかったわけではなくて。今は7人だけど、もともと8人だったんですよね」かつてメンバーだった内博貴の脱退を乗り越えてきた話は、渋谷の「気持ちは痛いほどわかるので」という言葉とリンクする。何をどう目指していいかわからないけれど、どうにか新しい一歩を踏み出さなくてはならない。そんな経験を共にした渋谷だからこそ、この決断は生半可な気持ちではないと理解を示す大倉。そして、同じグループとして活動はしなくとも存在が消えるわけではなくて、影を感じることも、寂しくなることも含めて自然に受け止めて欲しいといういうのが、今の願いだと話した。


 会見のときはまだ納得がいってなかったという大倉。だが、約1週間が経ち、少しずつ前向きにもなれたという。「俺らが最初に夢を持ったときに、いろんな人に反対されたじゃないですか……。いいよ、と。夢持つことはいいんじゃない? って思い返して。そこに行き着いたなって」。しかし、気持ちの整理がついたかと言われたら、それはまた別の話だ。「すごく悲しい思いをされた方もいらっしゃると思いますけれど、同じくらい僕らも寂しい、悲しいっていう思いは抱いています」。そんな大倉の思いを受け止めた高橋優が話した「どちらの将来も絶対応援したいけど、寂しいって気持ちに嘘つけないんだとしたら、ラジオの前のみなさんと大倉くんと僕と、みんなで時間かけてでも乗り越えて、寂しいって気持ちが違う気持ちになる瞬間を見ていきたいと思う」という言葉は、多くのファンの気持ちを代弁していたように思う。


 「連続なんですけれども、なんかずっとこの曲が、ぴったりなんですよ。僕らにとってっていうことで、また今週もかけさせていただきます」と流した楽曲は、<昨日の悲しみも涙も まだ乾きやしないけど 痛み堪えて 負けそうでも歩みを止めない>と歌う「LIFE~目の前の向こうへ~」だ。みんなといるから実現できる理想がある。一方で、ひとりじゃないと叶えられない夢がある。そして、全員が納得のいく答えを出せない現実がある。それでも、私たちは少しでもより良い未来のために選択していくしかない。渋谷の孤独な戦いと、関ジャニ∞のリスタート。今はただ「頑張るしかない」と歯を食いしばり、歩み続ける彼らのすべてがいつかプラスになることを願っている。(文=佐藤結衣)