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坂口健太郎は過去を変えられるか? 『シグナル 長期未解決事件捜査班』が視聴者を引き込むワケ

2018年04月25日 06:32  リアルサウンド

リアルサウンド

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 過去を変えることは悪いことか、未来が変わることに期待を持つべきか。無線で連絡を取ることに関する三枝健人(坂口健太郎)の心中の変化が描かれた『シグナル 長期未解決事件捜査班』(関西テレビ・フジテレビ系)の第3話。長期未解決事件捜査班は、1997年に起こった女性だけを狙った連続殺人事件の捜査を続けている。大山剛志(北村一輝)との通信によって過去を変えるきっかけを与えてしまった健人は、自分の責任で新たな死亡者が出てしまったことを後悔する。また、未解決事件の捜査を再開したことで、2018年でも1997年当時と同一犯と思われるような殺人事件が起こってしまった。


参考:【画像】『シグナル 長期未解決事件捜査班』第3話で活躍する坂口健太郎


 過去が変化することに戸惑う健人、2018年で消息が掴めない大山への想いを募らせる桜井美咲(吉瀬美智子)、北野みどり(佐久間由衣)の3人を取り巻く環境や、キャラクターの考え方がより深掘りされた回となった。また、健人と大山が実際に一つの事件をめぐり通信をするようになるなど、2人の関係性にも進展が見られた回でもある。


 健人はその後も通信によって変化した過去と向き合い、とうとう、過去を変えることで未来を良い方向にしようと動き出すよう、気持ちが変化した。その健人の試みが吉と出るか凶と出るか。第4話ではその全貌が明らかになり、事件の真相にグッと迫ると推察する。GYAO!で独占配信されている『シグナル 長期未解決事件捜査班』チェインストーリーの3.5話では、みどりが大山への気持ちをバイト先の店長へ吐露する姿が描かれている。そのチェインストーリーの最後のシーンでは、第3話でみどりが金券ショップから出てくる場面への伏線が描かれているのも注目だ。


 カラーグレーディングや使用している撮影機材によって独特な色合いで表現されている同ドラマ。カラーの使い方でシリアスな雰囲気を助長させていることは当サイトの記事でも紹介されている。今回、さらに感じたことは、このカラーが視聴者の注意を引くことも助長しているのではないかということだ。


 大山が誤認逮捕した犯人を追いかけるシーンでは、ほとんどが真っ暗でどこを走っているのかかなり見えづらい演出になっている。その後、捜査の一環として大山は日中の明るい時間に路地を再度歩き、自分の捜査を見直した。これにより視聴者は、気になっていた暗闇の部分の詳細を知ることができるようになり、大山と一緒に再度当時の犯行を反復することになる。こうした演出によって、視聴者も彼らと一緒に捜査しているような気持ちになることができ、それが作品に強くのめり込める要因なのではないかと感じた。


 SNSなどでも「犯人は○○じゃないか」、「次の展開は○○ではないか」などとドラマのトリックに関心を寄せる視聴者も多い。第4話で暴かれる真相に注目だ。


(Nana Numoto)