モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第9戦リッチモンド
カイル・ブッシュが3連勝!
トヨタ冠の両レースをトヨタ・カムリが完全制覇
ショートオーバル、リッチモンドでのカップ・シリーズ戦は、このコースを得意とするカイル・ブッシュが32番手スタートから首位に立ち3連勝を飾りました。
エクスフィニティ・シリーズではフル参戦初年度のクリストファー・ベルが今季初勝利。シリーズデビュー戦の19歳、ノア・グラッグソンが2位で続き、トヨタの若手によるワン・ツー・フィニッシュ。トヨタはレースのタイトルスポンサーを務めるリッチモンドの両レースを制しました。
Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第9戦 Toyota Owners 400
開催日:4月21日
カイル・ブッシュが3連勝!
4月21日(土)、米国東部バージニア州リッチモンドのリッチモンド・レースウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第9戦「Toyota Owners 400」が開催されました。
1946年創設と古い歴史を持つリッチモンド。トヨタは過去に10勝を挙げており、うち最多の4勝をカイル・ブッシュが挙げています。また、地元バージニア州出身のデニー・ハムリンも3勝を挙げており、2人の活躍に期待がかかりました。
21日(土)午後6時46分、0.75マイルショートオーバルを400周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。この大会が自身のキャリア450戦目となるマーティン・トゥルーエクス・Jr.が、今季4度目となるポールポジションから序盤戦は首位で逃げる展開となりました。
カイル・ブッシュは予選で32番手と後方に沈みましたが、スタート直後から目覚ましい追い上げを見せ、34周目にはトップ10圏内へ浮上。イエローコーションが出ないままのロングランが続くなかでさらにポジションを上げていき、ステージ1は6位フィニッシュ。終盤ペースの落ちたトゥルーエクス・Jr.が9位となりました。
ステージ2もイエローコーションが出ないままのレースが続き、フォード勢が強さを見せ上位を占めるなかで、カイル・ブッシュが奮闘。一時は実兄のカート・ブッシュ(フォード)との首位争いを繰り広げ、ステージ2は6位。トゥルーエクス・Jr.が9位となりました。
ステージ3も中盤までイエローコーションが出ない展開となり、再スタートから60周を過ぎたあたりからグリーンフラッグ下でのピットストップが始まりました。全車がピットを終えた時点でトゥルーエクス・Jr.が首位に浮上。カイル・ブッシュが4位、ハムリンが11位。
長いグリーンフラッグランで、次々に現れる周回遅れをかいくぐりながらの周回が続きましたが、残り50周を切った353周目、この日最初のクラッシュによるイエローコーションが発生。再スタートでカイル・ブッシュとハムリンが好ダッシュを決め、それぞれ2位、5位へポジションアップ。
終盤戦は一転イエローコーションが連発する展開に。367周目のイエローコーション時、全車ピットへ向かい、カイル・ブッシュが速いピット作業に助けられて首位浮上。ハムリン、トゥルーエクス・Jr.が続き、トヨタ・カムリがトップ3での再スタートとなりました。
しかし、残り10周でスピン車両によりイエローコーションが出されると、タイヤ交換作業でトゥルーエクス・Jr.が僅かに遅れ、9位へと後退。
残り6周での再スタートが切られましたが、すぐにまたクラッシュが発生し、レースは延長、最後の2周で決する“オーバータイム”に。ここで首位のカイル・ブッシュを含む上位勢はコース上に残る判断をしましたが、ポジションを落としていたトゥルーエクス・Jr.らは逆転を狙ってピットインしタイヤを新品に交換。
最後の再スタートもカイル・ブッシュは見事に決め、トップチェッカー。3連勝を飾ることとなりました。カイル・ブッシュにとって3連勝は、自身がチャンピオンを獲得した2015年以来となります。
また、リッチモンドでは5勝目となり、これは現役最多記録。カイル・ブッシュはこれで今季7戦連続のトップ3フィニッシュとなり、ドライバーズランキングでも首位の差を堅守。トヨタもマニュファクチャラーズランキングで首位の座を守りました。
ハムリンが3位。ダニエル・スアレツが10位と健闘。エリック・ジョーンズは13位、トゥルーエクス・Jr.は17位でのスタートから追い上げましたが14位でチェッカーを受けました。
次戦第10戦は4月29日(日)、米国南部アラバマ州タラデガのタラデガ・スーパースピードウェイで行われます。
■ドライバーコメント
カイル・ブッシュ
「今日の勝利はチームのおかげです。本当に信じられないようなチームで、毎週最高の仕事をしてくれる彼らとレースを戦えることを誇りに思います。3連勝は何年かぶりだと思いますが、次のタラデガでの勝利は本当に難しいので、4連勝ができるかどうかは分かりません。しかし、次戦も全力で勝利を目指して挑みます」
NASCAR XFINITY SERIES
第8戦 ToyotaCare 250
開催日:4月20日
クリストファー・ベルが今季初勝利
トヨタの若手がワン・ツー・フィニッシュ
4月20日(金)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第8戦「ToyotaCare 250」がリッチモンド・レースウェイで開催されました。
今大会、トラック・シリーズにフル参戦している19歳のノア・グラッグソンがエクスフィニティ・シリーズにスポット参戦でデビューすることとなりました。
日が落ちた午後7時20分に0.75マイルショートオーバルを75周、75周、100周の3ステージ合計250周(187.5マイル:約300km)して競われる決勝レースのスタートが切られました。
昨年のトラック・シリーズチャンピオンであり、今季よりエクスフィニティ・シリーズにフル参戦しているクリストファー・ベルは最前列2番手からスタートを切ると、序盤から超接近戦での首位争いを展開。15周にわたったバトルを制し、44周目に首位に立ちました。
ベルはステージ1終盤に出されたイエローコーションからの再スタートでかわされましたが、2位でステージ1をフィニッシュ。ブランドン・ジョーンズが8位。
ステージ1終盤のイエローコーションでピットインし、ピットタイミングをずらす作戦に出たグラッグソンは、ステージ2のスタート前にはピットに入らず3位に浮上。ピットインで一旦順位を落とすも追い上げたベルとともに首位争いを展開。ステージ2はグラッグソンが2位、ベルは4位、ブランドン・ジョーンズが7位となりました。
ステージ3は再スタートでグラッグソンが首位に浮上しましたが、10周ほどでベルがこれをかわして首位奪還。2台の若きトヨタドライバーによる首位争いとなりました。
一時2台の差は2秒近くまで広がりましたが、終盤グラッグソンがじりじりとその差を詰めていき、サイド・バイ・サイドでのバトルに。しかし、最後はベルが押さえきってトップチェッカー。
今季シリーズフル参戦初年度ながら、ここまでの7戦で2位2回を含む4回のトップ5フィニッシュを果たしてきたベルが、ようやく勝利を挙げ、“プレーオフ”進出をほぼ確定としました。
グラッグソンは惜しくも初優勝こそ叶わなかったものの、デビュー戦で大健闘の2位。21歳のブランドン・ジョーンズもトップ10フィニッシュを果たし、トヨタの若手が速さ見せたレースとなりました。
次戦第9戦は4月28日(土)、タラデガ・スーパースピードウェイで行われます。
■ドライバーコメント
クリストファー・ベル
「ここ(ヴィクトリーレーン)は本当に特別な場所です。ここに立つために努力を続けてきました。チームメイト(ノア・グラッグソン)は本当に速かったです。練習走行の時から我々2台が速いことは分かっていました。支えてくれたスポンサー、TRD-USA、そして応援してくれた全てのファンの皆様に感謝します」