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二度のル・マンウイナーのティモ・ベルンハルトがADAC GTマスターズに参戦

2018年04月24日 20:11  AUTOSPORT web

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チームメイトのケビン・エストーレとADAC GTマスターズに参戦するティモ・ベルンハルト
2010年と17年にル・マン24時間の総合優勝を飾ったほか、2015/17年のWEC世界耐久選手権チャンピオンを獲得したポルシェワークスドライバーのティモ・ベルンハルトが、自身が経営するチーム75から、ドライバーとしてドイツの人気GTレースであるADAC GTマスターズに参戦した。

 2017年まではポルシェ919ハイブリッドを駆り、世界中を転戦していたティモ。ポルシェがLMP1から撤退したことから、今後の活動について欧州メディアではさまざまな噂がささやかれていたが、自身のルーツともいえるGTレースにカムバックすることになり、デビュー当時から応援する多くのドイツの地元ファンは喜びに沸いた。

 自チームであるチーム75・ベルンハルトでは、これまで裏方としてドライバーやチームを支える立場として活躍していたが、今季ADAC GTマスターズに参戦するにあたり、ポルシェワークススドライバーのケビン・エストーレとタッグを組むことになった。

 開幕戦のオッシャースレーベンは35台のエントリーを誇り、ティモのほかにもアウディやBMW、ランボルギーニ、メルセデスに所属するワークスドライバーが多数参戦。プロ、アマ含め70名のドライバーがステアリングを握った。

 土曜日に行われたレース1では、スタートをティモが担い、エントリーしたポルシェ4台の中で最上位となる8番手からスタートするも、序盤に押し出され芝生へコースアウト。エストーレに交代した後はライバルと激しいバトルを挑み、スピンを喫し14位でゴール。ポイント獲得には至らなかった。

 また、日曜日のレース2ではエストーレが予選とスタートドライバーを担った。予選ではコースインのタイミングを誤り12番手からレースをスタートするが、ティモに交代した後もプッシュし続け、7位でゴールしてポイントを獲得した。

 開幕戦を終えたティモは「ADAC GTマスターズは間違いなくトップレベルのGT3レースで、年を重ねるごとにレベルが高くなっているし、プロフェッショナルなレースだと実感する」と語った。

「この開幕戦では多くのことを学び、トップ10に入りコンスタントにポイントを積み重ねることがいかに難しく、重要なのかを痛感したよ」

 ADACのオフィシャル関係者によると、レースウイークはメカニックらと同様に早くにサーキットへ到着し、準備作業を手伝う姿を見かけたという。また、チームメイトのエストレは「GTレースには長らく参戦していないので、ルーキーと同じレベルだと思う。君の方がGTレースでは経験も実力も積んでいるから、勉強させて欲しい」というティモからの要望に、非常に驚いていた。

 ティモの父・ルーディガーがモータースポーツ活動を開始した1975年を記念して『チーム75』と名付けられたこのチームは、父がチーム代表を務めるが、現在のチームオーナーはティモ自身で、母ショーリが各種雑務を取り仕切りっているという。

 ティモが生まれる以前の43年前から続く家族経営チームとしての形態を続けており、「ワールドチャンピオンを獲得したいまも、幼少のころからと同様にチームの雑用をこなすのは当然のことだし、それは今後も変わることはないよ」とティモは笑った。