モンスターエナジーNASCARカップは4月21日、第9戦リッチモンドが行われ、予選32番手からスタートしたカイル・ブッシュ(トヨタ・カムリ)がトップチェッカーを受け、3連勝を飾った。
第9戦の舞台となったリッチモンド・レースウェイは、1946年創設と長い歴史を持つ1周0.75マイルのショートオーバルトラック。ブッシュはここで過去4勝を挙げるなど得意としているトラックでもある。
400周の決勝レースは2017年チャンピオンのマーティン・トゥルーエクスJr.(トヨタ・カムリ)をポールシッターにスタート。100周目までのステージ1、200周目までのステージ2ともにイエローコーションが出ないグリーンフラッグ下でのバトルとなり、3番手からポジションを上げてきたジョーイ・ロガーノ(フォード・フュージョン)がともにトップチェッカーを受けている。
迎えた最終ステージ3も中盤までグリーンフラッグ下で推移したが、レース終盤には一転、イエローコーションが相次いで出される荒れた展開に。
353周目にリッキー・ステンハウスJr.(フォード・フュージョン)とライアン・ブレイニー(フォード・フュージョン)が接触してスピンしたため、このレース初のイエローコーションが出された。この再スタートではブッシュが好スタートを決め、2番手にポジションを上げている。
367周目にはジェイミー・マクマレー(シボレー・カマロZL1)とライアン・ニューマン(シボレー・カマロZL1)のクラッシュによるイエローコーションが出されると、全車が一斉にピットイン。このピットでブッシュのピットクルーは迅速に作業を終えてマシンを送り出し、ブッシュはトップに浮上してコースへ復帰した。
その後、レース残り10周となった390周目にもイエローコーションが出されると、レースは残り6周で再開。しかし、このリスタートでもクラッシュがあり、レースは延長戦“オーバータイム”へ。
この時点でトップにつけていたブッシュや、2番手のチェイス・エリオット(シボレー・カマロZL1)がステイアウトした一方で、9番手と後方に沈んでいたトゥルーエクスJr.などはニュータイヤでの逆転を狙いピットへ向かった。
迎えた最後のリスタート、ブッシュは危なげない走りでエリオットを寄せ付けずにチェッカー。通算5度目のリッチモンド制覇を成し遂げるとともに、2015年以来の3連勝を飾った。
「今日の勝因はマシンをどれだけ(コンディションに)アジャストできたかだと思う」とブッシュ。
「レースを戦い続けることだけを考えていたし、(クルーチーフの)アダム・スティーブンスとクルーたちは信じられないような働きをしてくれた」
「今回の勝利はチームクルーのおかげでもある。最後の2回のピットストップで、彼らはポジションを上げて送り出してくれた。今日のピットは最高だったよ」
エリオットに続く3位はデニー・ハムリン(トヨタ・カムリ)が獲得、4位にはフォード陣営のロガーノが続いた。最後のピットで逆転を狙ったトゥルーエクスJr.は17番手から追い上げたものの14位でチェッカーを受けている。
モンスターエナジーNASCARカップ第10戦は4月29日、アラバマ州タラデガのタラデガ・スーパースピードウェイで行われる。