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東出昌大、『コンフィデンスマンJP』ボクちゃんはハマり役? 次々と開かれる演技の引き出し

2018年04月24日 06:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 1話完結の月9ドラマ『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)。4月23日に放送された第3話のタイトルは「美術商編」。ダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)たち信用詐欺師の3人が、悪徳美術評論家・城ヶ崎善三(石黒賢)を騙すために闘いを挑んだ。


 カフェでアルバイトをしている美大生・須藤ユキ(馬場ふみか)と知り合ったボクちゃんは、彼女が城ヶ崎にもてあそばれ、自殺未遂にまで追い込まれたことを知る。そこで彼は城ヶ崎をターゲットにしようと思い立つ。


参考:『コンフィデンスマンJP』第3話で活躍するダー子&ボクちゃん&リチャード


 毎話ゲスト俳優がダー子たちのターゲットとして登場する本作だが、今回のターゲットは石黒である。石黒といえば今期は、本作と同じく新たにスタートした『正義のセ』(日本テレビ系)にもゲストとして出演し、建設会社の部長・恩田を演じていた。恩田は部下の向井(浅利陽介)に暴力を振るったとして被害届を出され、主人公である駆け出しの検事・凛々子(吉高由里子)と敵対する。本作と同様に、主人公たちにとって敵キャラであったのだ。


 石黒がバイプレーヤーとして名を馳せる存在であることは、多くの方がご存知だろう。『正義のセ』でも、涼しい笑顔と高圧的な態度の切り替えが見事な悪役ぶりで、第1話からの盛り上がりに大いに貢献していた印象だ。そんな彼が今作で演じる城ヶ崎もまた、悪どいキャラクターである。世間的に高名な評論家である城ヶ崎の後押しを求めるユキに対し、彼女のことを弄んでおきながら、「若くて、小綺麗で、巨乳の画家、という点では可能性がある。しかし作品自体はゴミ」などと平然と言ってのけ、美術商としても真贋を偽り不当に安く買い叩く。


 そんな城ヶ崎に対抗すべく、今回のダー子は中国人美術バイヤー、ボクちゃんは古美術堂の息子、リチャードは架空の画家の甥っ子にそれぞれ扮し、闘いを挑む。でんでん演じる贋作画家・伴友則も登場し、いつにも増してハイテンションで楽しいものであったが、城ヶ崎の前に伴は瞬殺。贋作だと見抜かれ、あえなく逮捕されてしまう。このあたりの、ついツッコミたくなるぶっ飛び展開も、3話目にまでなるとクセになってくる。


 そんな今回は、ボクちゃんを演じる東出の小芝居が面白い回であった。猫背に上目遣いで、どこか神経質そうな古美術堂の息子を演じていたのだ。東出といえば、長い手足に涼しい笑顔で、どちらかと言えばクールなキャラクターを演じることの多い印象だが、この手のコミカルな芝居も実に上手い俳優なのである。『ヒーローマニア-生活-』(2016)で演じたうだつの上がらないコンビニ店員・中津秀利役や、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(2016)で演じた主人公の親友の陽気な美大生・上山正一役などはその路線であったと言えるだろう。


 “ボクちゃん”というキャラクターを軸にしながらも、毎話違ったキャラクターを演じる姿は活き活きして見える。次々と開かれていく演技の引き出しに大きな期待をかけてしまうが、長澤や小日向に対しても同様、これこそ本作の見どころでもあるだろう。


 次週のゲストは佐野史郎。食品偽装などを行う、老舗の食品会社社長を演じるようだ。次回予告からすでに、またも大きなぶっ飛び展開を予感させる。次は誰のどんな引き出しが開かれるのだろうか。


(折田侑駿)