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限界の速さを引き出す予選と長距離の決勝。スーパーフォーミュラの魅力をアピールする2018年フォーマット

2018年04月22日 08:11  AUTOSPORT web

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2018年シーズン予選、決勝のフォーマットについて説明を行うJRPの上野禎久氏(左)と倉下明社長(右)
スーパーフォーミュラ開幕戦の鈴鹿サーキットの予選日、JRP(日本レースプロモーション)がメディア向け会見、通称「サタデーミーティング」を開催し、2018年シーズンのスーパーフォーミュラのレースフォーマットが固まったことを報告した。

 昨年は岡山国際サーキット、そして最終戦の鈴鹿サーキットで2レース制で行われたスーパーフォーミュラの決勝フォーマットだが、今季は全7戦すべてが1レース開催となり、予選フォーマットもノックアウト方式で全戦、統一されることになった。

 JRPによると、シーズン全戦が同一フォーマットで開催されるのは2009年シーズン以来とのことで、今年は9年ぶりに同じフォーマットでの開催になる。

 同一フォーマットになった背景には全戦で2スペックタイヤが導入されることが大きい。ソフトタイヤとミディアムタイヤで戦略の幅が広がることで、サーキットごとにレースフォーマットを変えることなく、さまざまな展開が演出されることが期待されている。

 また、今季はテストケースとして第6戦岡山の予選Q3でオーバーテイクシステム(OTS)が使用可能になることが明かにされた。時間と回数などの詳細はこれから決定することになるというが、予選ポールポジションのタイムが大幅に更新される可能性が高い。JRPの上野禎久氏も、予選でのOTS使用の狙いを会見で説明する。

「今季からソフトタイヤが全戦で導入されることになりましたが、SF14が持っているパフォーマンスをオーバーテイクシステムを使って、すべてを発揮できるセッションを設けることによって、速さを競うフォーミュラカーの予選日の魅力としてお客様にアピールしていきたいと思っています」

「参考になりますが、岡山国際サーキットの現在のコースレコードは1994年のF1、ウイリアムズ・ルノーのアイルトン・セナが記録した1分10秒218でして、そのタイムは四半世紀、破られていません。スーパーフォーミュラでは2015年に石浦宏明選手が1分12秒429が公式の最速タイムです。2秒程度の差がありますが今年のソフトタイヤとオーバーテイクシステムで理論上はレコードタイムをブレイクする可能性があるので、そういったところをJRPとしてファンの方にアピールしていきたいと思っています」

 タイヤ、マシン、エンジンのすべてのパフォーマンスを出し切るとどのくらいの速さになるのか、という視点はレースファンならば当然、興味は高まる。どうせなら開幕戦の予選からOTSでタイムアップを、と願いたいところだが、そこはまだOTSの燃料流量アップによるエンジンのライフの確認ができておらず、まずは今季1戦のみに限定。その様子を見て、2019年以降の予選でまた検討する方向とのことだ。メーカーもチームも、そしてタイヤメーカーもなるべく負担にならない形でスーパーフォーミュラの速さをアピールすることができれば、ファンとともに関係者にもうれしい施策となる。

 今シーズンのスーパーフォーミュラは決勝では300kmという長距離フォーマットで戦略を含めたレースの強さを競い、予選ではマシン、タイヤ、そしてドライバーの1周の速さにとことん、こだわる。ある意味、フォーミュラレースの原点的な魅力が、より強調される形となった。

■2018全日本スーパーフォーミュラ選手権 開催概要
Rd.開催地開催日予選方式決勝レースRd.1鈴鹿サーキット4/21(土)~22(日)ノックアウト300kmRd.2オートポリス5/12(土)~13(日)ノックアウト250kmRd.3スポーツランドSUGO5/26(土)~27(日)ノックアウト250kmRd.4富士スピードウェイ7/7(土)~8(日)ノックアウト250kmRd.5ツインリンクもてぎ8/18(土)~19(日)ノックアウト250kmRd.6岡山国際サーキット9/8(土)~9(日)ノックアウト250kmRd.7鈴鹿サーキット10/27(土)~28(日)ノックアウト300km※
※Rd.7のレース距離は暫定