2018年シーズンの全日本スーパーフォーミュラ選手権が鈴鹿サーキットで幕を開けた。土曜日の午後はQ1からQ3のノックアウト方式による予選が行われ、山本尚貴(TEAM MUGEN)がポールポジションを獲得。ルーキーの松下はQ2で敗退、福住は2番手でフロントロウを獲得する結果となった。
■Q1:松下がミディアムタイヤで驚きの速さを見せる
予選Q1は20分間にわたりノックアウト方式で行われた。開幕戦鈴鹿は、Q1で使えるのはミディアムタイヤのみだ。コースコンディションはドライ、気温23度、路面温度33度で予選Q1がスタート。ちなみにこの日の午前に行われたフリー走行では、塚越広大(REAL RACING)がミディアムタイヤを履いていたと思われるアタックで、一時トップタイムとなった1分38秒509を記録している。
セッション開始7分で、松下信治(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が1分37秒619を記録。これは前述の塚越のタイムはもちろんのこと、野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がソフトタイヤで記録したと思われる午前のトップタイムを上回るタイムだった。
各車一度ピットインすると、残り5分で2度目のタイムアタックが開始。この時点で、ディフェンディングチャンピオンの石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)がいまだQ2進出圏内に入っておらず、そのタイムが注目された。
残り2分を切り、まずトップに立ったのは山本尚貴(TEAM MUGEN)。しかしそのタイムを再び松下が上回り、1分37秒255でセッションリーダーの座を奪還すると以降はだれも松下のタイムを上回ることができず、松下がトップでQ1を終えた。松下は前日金曜のインタビューで「フィーリングはいい」と語っており、その速さを見せた結果だ。
石浦は1分38秒376で14番手となり、かろうじてQ2に進出。15番手ニック・キャシディ、16番手大嶋和也、17番手千代勝正、18番手ジェームス・ロシター、19番手ピエトロ・フィッティパルディが開幕戦のグリッドを確定している。
■Q2:赤旗中断に涙を飲んだ松下と巻き返した塚越
予選Q2はアウトラップから1周目にアタックラップを行うのか2周目に行うのか、そして、それによるアタックのタイミングが注目された。7分間にわたって行われる予選Q2は、全車ソフトタイヤでアタックアウトラップを終え、各車が続々とアタックを開始する。このとき、松下は2周目のアタックを選択している。
しかしタイムが続々と更新されるかと思われたところで、平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がデグナーカーブのひとつめで激しくコースアウトを喫し、赤旗が提示される。これによりセッションは中断され、残り時間3分で予選Q2が再開された。
セッションの残り時間は僅か3分間となったが、ほぼ全車がコースイン。このとき、ニュータイヤを履いたドライバーとユーズドタイヤを選択したドライバーがおり、判断が分かれた。タイムとしては一貴、そして最初のアタックでタイムを計測できなかった塚越がタイムを更新。そのほかはほぼ最初のアタックで記録したタイムがそのまま予選Q2の結果となった。
石浦は7番手で予選Q3進出。ルーキーの松下は赤旗提示前のアタックラップ中にセッションが中断となり、再開後もタイムを詰めることができず12番手でQ2敗退が決まった。同じくルーキーの福住は3番手タイムでQ3進出を決めている。
■Q3:開幕戦のポールポジションは山本が獲得。2番手にルーキー福住がつける
7分間にわたって行われた予選Q3だが、Q2でコースアウトを喫した平川は出走することができなかった。7名のドライバーでポールポジションが争われた。また、塚越はQ2で赤旗中断前まで履いていたタイヤを装着したようで、完全なニュータイヤを投入していないドライバーもいたようだ。
まずターゲットタイムを記録したのは伊沢だが、このタイムを野尻が更新。さらにルーキーの福住が1分37秒を切ってトップに浮上する。そのタイムを上回ったのが、福住のチームメイトである山本だ。1分36秒911でトップタイムをたたき出すと、このタイムを上回るドライバーは現れず、山本が2018年のスーパーフォーミュラ開幕戦ポールポジションを獲得した。
福住は2番手でTEAM MUGENがフロントロウを独占、さらにホンダエンジン搭載チームが5番手まで並ぶ結果となった。石浦はQ3まで進出したものの各セッションで上位につけることができず、6番グリッドから明日の決勝レースを戦うこととなる。
スーパーフォーミュラ開幕戦鈴鹿決勝レースは、明日22日13時50分にスタートを迎える。