第3戦アメリカズGPのレースウイーク19日の木曜日に、マルク・マルケスとバレンティーノ・ロッシが前戦アルゼンチンGPでの接触アクシデントについてそれぞれ別に会見を開いた。
通常ならば、プレスカンファレンスに一緒に出席しておかしくないトップライダーのふたりだが、前戦アルゼンチンGPの決勝レース中の接触のアクシデントにより、ふたりが並んでプレスカンファレンスに出席することを避けるように、それぞれのチームホスピタリティで会見を行なった。
現地時間の午後1時30分から行なわれたマルケスの会見では「アルゼンチンの後で、サンパウロとミネアポリスに行き、オースティンに戻って来た。週末が待ち遠しい。いつもどおり、この週末を楽しむ。早く走り始めたい」と、アルゼンチンGP後のブラジルを訪問した後でアメリカにやってきたことを説明したマルケス。
決勝スタート時のエンジンストールについて質問がなされると「グリッドでエンジンが止まってしまったことをホンダの技術陣は分析した。ギアボックス、電子制御で何かあり、同じことが起こらないように修正されるだろう。プラクティスではカル(・クラッチロー)にも同じようなことが起こったが、ミスだと考えている。不運にも僕の場合はスタート直前のグリッド上で起こってしまった。残念なことだけど、将来に向けた経験としたい」と語った。
エンジンストール後、すぐに押しがけで再始動を試みたことについては「エンジンが止まってしまったことに気づき、ピットに行こうとした。通常、バイクが止まってしまうと、ひとりではエンジンを始動させることは難しいが、トライしたら、再始動できた。グリッド上でエンジンが止まった場合、手を挙げなければいけないことを知っている。手を挙げたとき、オフィシャルがだれもいなかったから、ピットに行こうとバイクを押し始めた。不運なのか、幸運なのか、そこでエンジンが再始動した。そこで混乱してしまった。あのような状況は繰り返したくない」と説明した。
「アルゼンチンではたくさんのことが起こってしまった。僕はライダー。成長したいし、トライしたい。ミスから学びたい。今回の場合、あのレースではたくさんのことが起こってしまった。幾つかのミスを犯してしまい、ペナルティが課せられた。レースが終わった後、謝罪に行った。そうすべきだと思ったらからだ。バレンティーノに対して何も問題はない。明日のセーフティ委員会では、僕のことだけでなく、幾つかのことを話し合うことになるだろう。混乱してしまったスタートのプロセスを明らかにしたい」
「僕は自分自身のことには簡単に集中できる。たくさんの異なる意見があり、全てが敬意に値する。僕はコースで起きていることだけに集中する。決してバイクに怖さを感じたことがない。改めてレースのビデオを見た。僕はうまくやれたときも、悪かったときも、全てを分析したい。僕にとっては新しいことではないけど、ミスから学びたい。僕たちはライダーであり、人であり、ミスを犯してしまう。これは競争であり、限界に挑戦するけど、悪いことから良いことに変えられるようにトライしよう」
マルケスは約10分間の会見の中で自分がミスをしたことを認めた上で、ミスから学び、今後のレースに活かしていくことを強調した。
ロッシの会見は現地時間の午後4時30分より行なわれた。
「あのこと(前戦の転倒アクシデント)を話し続けると時間を失ってしまうから、今週末のレースのことを考えなければいけない。時間が経ち、次のグランプリに向けて準備をしよう」と語り始めたロッシ。
「もう一度、レースを見た。自分の発言を再確認したけど、もう過去のことにして、グランプリに集中することがベストだと思う。将来を見るように心掛けたい。アメリカズGPでコンスタントになれるようにトライしたい。僕たちは、そのことに着目しなければいけない。将来、マルクとは話すかもしれないけど、今ではないと思う。彼は次のコーナーで抜くことができたのだから、アルゼンチンで起きたことには意味がない。セーフティ委員会で話すことはよいこと。他のライダーたちがあのインシデントをどう見たのか確認しよう」と語った。