2018年のWRC世界ラリー選手権に参戦しているTOYOTA GAZOO Racing WRT。チームが挑む次なる戦いは南米で行われるグラベル(未舗装路)イベントの第5戦アルゼンチンだ。
4月6~8日に行われたターマック(舗装路)イベントの第4戦ツール・ド・コルスでオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合2位表彰台を手にしたトヨタ陣営。迎える第5戦は一転、南米アルゼンチンのラフロードを舞台に争われる。
ラリー・アルゼンチンは1980年に初開催された1戦で、現在は首都ブエノスアイレスから北西700kmに位置するヴィラ・カルロス・パスのサービスパークを中心に開催されている。
ラリーのSSは山岳地帯や谷、川を渡るスポットなどバラエティに富んでいるが、南半球にあるアルゼンチンはこの時期、初秋の気候となり、天候は不安定。その影響で山岳部では濃霧や雹がドライバーを襲うこともある。また山岳部はコース脇に岩肌が露出していたり岩石が点在しているため、小さなミスがマシンに大きなダメージを及ぼしかねない。
また谷間を抜けるステージは路面がルーズな箇所が多く、マシンが通過するごとに刻まれるわだちがドライバーを苦しめることになるため、特にステージ再走となる午後のステージをチャレンジングにする要素だ。
競技は現地26日(木)にビジャ・カルロス・パスの街中で行われるSS1でスタート。翌27日から第3戦メキシコ以来となる本格的グラベルラリーがスタートする。
競技2日目はSS2~8の7SSが、競技3日目の28日(土)はSS9~15の7SSが、最終日の29日(日)はSS16~18の3SSが、それぞれ行われる。最終日のSS16/18は大会を代表するステージのエル・コンドルで、SS18はステージ上位5名にボーナスポイントが与えられるパワーステージとなる。
全18SSの合計距離は358.25km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1300.65kmだ。
■「昨年のラリー・アルゼンティーナはもちろん、これまでのラリーから多くを学んだ」とマキネン
チーム代表のトミ・マキネンは「初出場だった昨年のラリー・アルゼンティーナからはもちろん、これまでのラリーから多くを学び、今年は昨年以上に良い戦いができるのではと思っている」と期待感を示した。
「我々はイタリアのサルディニア島で事前テストを行なった。なぜならヨーロッパにおいてサルディニアの道はもっともアルゼンチンに近いコンディションだからね」
「アルゼンチンでは多種多様な路面と対峙する。軟らかい路面もあれば、硬い路面もあり、岩や石が転がる荒れた路面、そしてクリーンな路面も走行するんだ。それらすべての路面に適応することは、我々にとって最大の挑戦となるだろう」
「最後に施した改善が狙い通りに機能し、コンディションや環境の変化にクルマが上手く対応し強さを発揮してくれることを期待しているよ」
2017年のラリー・アルゼンチンで総合5位を獲得しているヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)は「全員で一生懸命働き続けクルマをコンスタントに改善してきたから、今年はきっと成長した姿を見せることができるだろうし、その結果としてポイントを獲得できればうれしく思う」とコメント。
第4戦ツール・ド・コルスで総合2位を獲得したタナクは「昨年、総合3位でフィニッシュしたから、今年は自信を持ってラリーに臨むことができる」と抱負を語ったほか、エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)は「ひとつ前のグラベルラリーだったメキシコでは非常に多くを学んだから、ラリー・アルゼンティーナではより良い戦いができるという自信がある」とコメントしている。