東京ガス都市生活研究所は4月20日、生活定点観測調査の結果を発表した。同調査は、20代以上の男女モニターを対象に1990年から3年ごとに実施されており、今回は3914人からの回答があった。
生活の力点を仕事と余暇のどちらに置いているか聞いたところ、「余暇」または「どちらかといえば余暇」という人が合わせて51.9%で、調査開始以来初めて過半数に上った。また「仕事は給料のためというより、自己実現に重きをおいている」人の割合は、02年以降年々増加し、17年には64%に上った。バリバリ働いてお金を稼ぎたいという価値観は徐々に廃れつつあるようだ。
余暇にしたいこと、睡眠・料理・ひとりで過ごすが前回より増加
余暇の過ごし方にも変化が見られる。「キャンプや森林浴など自然の中でレジャーを楽しむ」ことが「よくある」、「たまにある」と答えた人の割合は5回連続で減少し、27.5%だった。
今後、生活の中で重視したいことのうち、前回調査よりも増加したのは睡眠(16.5%)、料理(9.6%)、家事の効率化(10.3%)、ひとりで過ごす(9.9%)、家での食事(8.7%)だった。アウトドアでレジャーを楽しむよりも、家でゆっくり過ごしたいという人が増えていることがわかる。
余暇をどこで誰と過ごすことが多いか聞くと、平日は「家でひとり」(61.4%)、休日は「家で家族と」(52.8%)が最も多く、「家以外でその他の人と」や「家以外でひとり」を大幅に上回っている。
女性は「家で美味しい料理を作りたい」、男性は「家でピクニックやバーベキュー」
余暇時間の充実度が低かったのは、夫婦ともに週30時間以上働いており、小学生以下の子どもがいる「共働き世帯」だった。この世帯の女性は、「入浴中にひとりの時間を楽しむこと」を「行いたい」「やや行いたい」という人が計68.1%で、「よくある」「ときどきある」の37.7%を上回っている。
また「家で肌や髪の手入れをする時間を充実させたい」も65.2%に上った。仕事だけではなく、家事や子育てもしなければいけない共働き女性は、現状ではなかなか時間が取れないが、本心では自分のためにゆっくりしたいと考えているようだ。
「家で美味しい料理を作りたい」も共働き世帯の女性の66.7%に。一方、男性では「家でピクニックやバーベキューを楽しみたい」という人が52.9%と多かった。