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CUBERS、“推し甲斐”のあるポイントは? 『干支かれ』『メイクヒーロー』との親和性を読み解く

2018年04月20日 12:01  リアルサウンド

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■CUBERSが“イケメン2大コンテンツ”とコラボ


 “聴けるボーイズユニット”として注目を集めているCUBERSが、ニューシングル『それじゃ、よろしく』をリリースした。本作はアルバム、2枚のEPを経て1年9カ月ぶりに発表された彼らの4枚目のシングル。ホーンが響き渡る多幸感あふれるサウンドに、5人のユニゾンが映える表題曲は、恋愛シミュレーションアプリゲーム『干支かれ~十二支に猫が漏れた理由~』の主題歌に決定。カップリング曲「Listen to Miracle」も新感覚朗読劇『メイクヒーローDMM VR THEATER Version』の主題歌に抜擢された。2015年の結成から3年、ライブやSNSを駆使した精力的な活動でファンを増やしてきた彼らに、今追い風が吹いている。


 ここ数年来、“2.5次元”と呼ばれる漫画やアニメなどを原案としたミュージカル、声優たちによるステージは、今やエンターテインメントの一大コンテンツとなった。メンバーを入れ替えながら10年以上にわたって上演され続けている『テニスの王子様』や、“刀剣女子”という言葉も生み出し、メディアミックスに成功した『刀剣乱舞』、アニメ声優陣が作品の中のキャラソンをライブで披露し、さいたまスーパーアリーナを超満員にするほどのプレミアチケット公演となっている『うたのプリンスさま!』など、人気タイトルは枚挙にいとまがないほど。


(関連:CUBERSのサウンドの面白さとボーイズグループのこれからを考えるーー高橋諒×高橋芳朗対談


 今回CUBERSの楽曲が起用されたのも、そんなムーブメントに名を連ねる作品である。「それじゃ、よろしく」が起用された『干支かれ~十二支に猫が漏れた理由~』は、いわゆる“乙女ゲーム”と呼ばれ、10代の女子を中心に爆発的な人気を誇るゲームジャンルの新タイトル。十二支を司るイケメンの神霊たちとプレイヤーが、さまざまな試練を乗り越えながら恋を育んでいく物語は、江口拓也や羽多野渉、三木眞一郎といった豪華な声優陣の参加も相まってリリース前よりすでに話題となっている。一方、『メイクヒーローDMM VR THEATER Version』は安達勇人、井深克彦、中村優一ら若手人気俳優陣と、VR技術を駆使したキャラクター達が舞台上で共演するという斬新な仕掛けの朗読劇。すでに公演は終了しているが、リピーター続出の盛況ぶりで幕を閉じた。


 これらの作品とのタイアップは、まだCUBERSを知らない層に向け、開かれた扉でもあっただろう。特に乙女ゲームや2.5次元にハマる層は、アニメや漫画のみならず音楽やアート、演劇など、総合芸術への興味関心にも高い傾向がある。既存のスタイルとは一線を画し、個性を発揮するアーティストと極めて親和性も高いように思われるのだが、CUBERSのオリジナリティとは一体どんな点にあるのだろうか。


■CUBERS、“推し甲斐”のあるポイントは?


 そもそもCUBERSとは、“枠に収まらず”枠から飛び出していけるようなグループになれるようにという意味で名づけられた。昨今の男性アイドル/ボーイズグループには珍しく80年代のシティポップやブラックミュージック、ソウルやファンクを取り入れたサウンドスタイルを持ち味とし、評論家筋や早耳の音楽ファンからも支持を集めている。“聴ける”と名乗るのはそんな音楽性ゆえである。また、5人のメンバーそれぞれが行っているソロ活動も異彩を放っている。メインボーカルの春斗は、チャンネル登録者22 万人超える YouTuber・ヴァンビの相方としても活躍中。特技の料理を生かして「春斗コンロ」と題した料理動画もTwitterで配信している。TAKAは俳優として、ミュージカル『スタミュ』や舞台『私のホストちゃん』などに出演。今年はアニメ『戦刻ナイトブラッド』の舞台版の出演も予定されているほか、ファッションモデル業でも躍進中だ。最年少で現役大学生の優は「YAMAHA PAS」のイメージモデルに抜擢され、CMに出演。ダンサー出身の綾介は特技を生かし、自分たちの楽曲の振付を担当する傍ら、アイドル界隈でNo.1 のダンサーを目指している本格派だ。そして末吉9太郎はLINE LIVEでお悩み相談所「9ちゃんにまかせなさい!」を定期的に配信中。絵の才能が買われ、ヴィレッジヴァンガードより自身の絵日記がグッズ化もされている。またAbema TVの『指原&ブラマヨサイテー男』にも出演するなどバラエティ方面での才能も開花させている。


 ひとつのユニットに所属していながら、それぞれのキャラクターや個性が十二分に発揮できているところが何よりも彼らの強み。さまざまなきっかけで彼らを知った人たちにも、“推し甲斐のある”ユニットとして、ますます認知されていくことになるだろう。


 今後は、『それじゃ、よろしく』発売記念として、『2018年春を駆けるTOUR』を各地で開催するほか、5月3日に武蔵野の森 総合スポーツプラザにて行われる野外フェス『Tokyo Street Collection』にオープニングアクトで出演することも決定。より幅広い層へのリーチにも期待がかかる。そんな彼らのパフォーマンスが存分に堪能できるであろうワンマンライブも5月27日にMt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREで開催される。彼らが新時代を担うユニットとして、シーンを席巻する日も近いかもしれない。(リアルサウンド編集部)