リクルートマネジメントソリューションズは4月19日、「職場での『適材適所』に関する実態調査」の結果を発表した。
調査は昨年12月にインターネットで実施。300人以上の企業に勤務している25~49歳の正社員のうち、非管理職社員347人、管理職145人の合計492人から回答を得た。
「自分に合った会社・仕事」を考える際、どのようなことを重要視しているのだろう。平均値を集計すると「人間関係の良い職場」(管理職:6点中4.7ポイント、一般社員:4.9ポイント)、「希望する年収、給与」(両者4.7ポイント)、「希望する働き方」(4.6ポイント、4.7ポイント)のポイントが高いことが分かった。
平社員の3人に1人「上司と合わない」 一方、管理職の6割「異動の部下が力量不足」
会社・職場・仕事・上司と自分の適合度を聞くと、いずれも「合っている」の回答は1割に満たなかった。「どちらかといえば合っていない」「合っていない」「まったく合っていない」の合計が最も高かったのは上司(36.6%)だった。
"適材適所"に密接に関係する「異動」を経験したことがある人は63.6%。うち業務内容が大きく変わったことがある人は36.4%となった。自己申告で希望が叶って異動した人は16.6%、社内公募・社内FAなどで自ら手を挙げて異動した人は5.1%に留まった。
異動経験者に苦労したことを聞くと「異動先の上司との人間関係」(23.6%)が最も多い。やはり上司との人間関係をネックに思う人は少なくないようだ。しかし「あてはまるものはない」と答えた人も28.4%いる。
一方、管理職に「異動してきた部下の対応で困ったこと」を聞くと、最も多かったのは「任せたい仕事に対して、力量が足りない」(55.9%)。具体的には、
「一から仕事を教えなければならず新入社員と変わらなかった」
「若手の育成という名目でかなりの若手が来たが、即戦力にならなかった」
などの声が寄せられた。
2位は「本人にとって不本意な異動のためやる気がない」(20.7%)で、「上司や同僚からのアドバイスなどの支援を受けたがらない」「年上の部下で降格してきた人物だったので、やる気がなくとても苦労した」という嘆きの声もあった。
「異動の際は、部下だけでなく受入側の上司のフォローも必要」
自分に合った仕事で働く上で障害になっていることでは、「社内の人事異動は会社側の要請で決まる」(40.4%)を挙げる人が最多。2位以降の「個人の意思を反映できる、会社の制度がない」(19.3%)、「異動希望を出しても、経営・人事が実現してくれない」(15.4%)と大きく差が開いた。
調査を実施した同社は「必ずしも最初から本人の希望どおりに異動を行えばよい、ということでもない」とコメント。本人の意向を組むだけでなく、能力・スキルの他、人間関係にも配慮することが必要だ。また部下のことはもちろん、「受入側の上司のフォローも必要かもしれない」としている。