2017年シーズン限りでDTMドイツ・ツーリングカー選手権からの引退を宣言し、2018年はWorldRX世界ラリークロス選手権でのタイトル奪還に専念しているマティアス・エクストロームが、彼のファンとDTMへの惜別の意味を込めて、開幕戦ホッケンハイムにエントリー。1戦限りの“引退記念レース”へ身を投じる。
通算17シーズンにおよぶDTMキャリアで2度のドライバーズチャンピオンを獲得してきたエクストロームに対し、アウディスポーツは7台目のアウディRS5 DTMを用意するとアナウンス。6台のフルシーズン参戦レギュラーに加えて、チーム・アプト・スポーツラインがエクストローム用として3台目のマシンをオペレーションすることとなった。
エクストロームは、2018年レギュレーションに基づいて改良された2018年型モデルをまだ一度もドライブしたことがなく、ダウンフォース推定値で30%ダウンとなったRS5 DTMのシートにぶっつけ本番で座ることになる。
これに対し、アウディスポーツ代表のディーター・ガスは「マティアスはつねに新しいマシンに対する素早い順応性をみせてきた」と、復帰戦への期待を語った。
「彼のフェアウェル(お別れ)レースではあるものの、だからといってマティアスがクルージングだけで終わるはずがないと確信している。彼のモットーである『Go hard or Go home(戦うか、さもなくば帰れ)』を実践するはずだと思っている」
そのエクストローム自身も、ホッケンハイムでは「フルシーズン参戦していたころより、もっと多くのサインをして、ファンとの交流を楽しみたいと思っている」と、意気込みを語った。
「こうした機会が得られたことを本当にうれしく思う。アウディがこれを可能にしてくれたことは素晴らしいことだ」とエクストローム。
「17年間の成功と興奮の時間を過ごした後、もうDTMでレースをしないと決断するのは本当に厳しい仕事だった。その発表の日は、僕のキャリアのなかでもっとも感傷的な日になったと言っていい。でも、このホッケンハイムの週末にもたくさんの“鳥肌が立つ”瞬間があると確信している。僕は今すでに、最高にエキサイティングな気分だよ」
その言葉に対し、代表のガスは「マティアスは、彼のユニークなDTMキャリアを終えることを、この冬の間に決めた」と続けた。
「彼はまた、特別な方法でDTMファンに別れを告げたいと願っていた。その希望を聞いたことから、この特別なアイデアが浮かんできたんだ」
「彼にとっても、DTMにとっても、ファンにとっても、そしてもちろんアウディにとっても、ホッケンハイムの開幕戦で彼がふたたびグリッドに着くことは素晴らしいことだと私は思う。克服すべきいくつかの障害はあったものの、我々は7台目のアウディRS5 DTMを開幕戦のグリッドに並べることを可能にしたよ」
今季のDTM開幕戦ホッケンハイム・ラウンドは、5月5~6日に開催される。