ABBフォーミュラE選手権に参戦しているドライバーと、昨年ブリティッシュF4でクラッシュし両足を失う重傷を負ったビリー・モンガーは、フランス・パリで電動カートを使ったチャリティーイベントを開催する。
このチャリティーイベントはパリ郊外にあるRKCカートトラックを舞台に、フォーミュラE第8戦パリE-Prixの直前、4月25日に開催される。
モンガーは2017年のブリティッシュF4第4~6戦に参戦中激しくクラッシュして両足を切断する重傷を負ったが、驚異的な回復をみせ、10月にはF3マシンをテスト。以降もモンガーがドライブできるよう改良されたカートなどでレーシングドライバーとしての活動を続けている。
今回のチャリティーは舞台となるカート場のオーナーで、現在フォーミュラEのランキングトップにつけるジャン-エリック・ベルニュらが参加するほか、FIAが新設したディザイラビリティ&アクセシビリティコミッションも支援。募金などは障害によりレース活動を行えないドライバーたちを支援する基金へ渡される。
このイベントを主催するベルニュは「事故から1年経たずに、ビリー(モンガー)はシングルシーターレースに復帰し、(ビリーがドライブできるよう)改良されたマシンを使って3位を手にしたんだ」と語っている。
「これは(レースを戦うという)夢を諦めざるを得なかった人たちにとっては素晴らしいニュースであり、私たちが一致団結すれば現状を変えられるという証でもある」
「私たちは不可能を可能にできるし、ほかの人たちにもビリーと同じような道を辿ってもらいたいんだ」
モンガーは「モータースポーツの世界に戻ることができて本当にうれしいし、このチャリティーイベントに参加できることもうれしい」とイベントに参加する心境を明かす。
「今ぼくはARDSライセンス取得を目指していて、ライセンスを取得したらほかのドライバーにシングルシーターやサルーンカーのドライビングを教えたい。今回の経験は、その目標に大いに役立つはずだよ」
フォーミュラEのアレハンドロ・アガグCEOも「フォーミュラEがこういったイベントに積極的に関与できることを喜ばしく思う。おそらく、ビリーはイベントに参加するドライバーたちを苦しめてくれるだろうね」とコメントした。