トップへ

星野源、『半分、青い。』主題歌イントロが好評 新曲「アイデア」から滲み出る“マリンバ愛”に迫る

2018年04月18日 08:51  リアルサウンド

リアルサウンド

写真

「日本の全部に届く場所で、自分でマリンバを叩きたかった」


参考:福山雅治、ももクロ、星野源……“春アニメ映画”主題歌の共通点は?


 ラジオ『星野源のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)4月3日放送回にて、星野がNHK連続テレビ小説『半分、青い。』のオープニングテーマ「アイデア」の制作エピソードを語った際、同曲を制作するにあたり一番最初のきっかけは“マリンバ”であったことを明かした。マリンバとは、アフリカ起源の木琴の一種。ドラマで「アイデア」が流れるやいなや、星野源ファンの間でマリンバに注目が集まった。


 「アイデア」は、松たか子「明日はどこから」(『わろてんか』)、桑田佳祐「若い広場」(『ひよっこ』)、Mr.Children「ヒカリノアトリエ」(『べっぴんさん』(以上、NHK総合))といった最近の朝ドラ主題歌には珍しくBPMの早いアップテンポな曲となっており、イントロからマリンバやドラムが印象的に使われている。木の温かみを感じるマリンバの優しい音色、軽快なビートを鳴らすドラムと、朝の始まりを告げる爽やかなオープンニング。SNS上でも「マリンバの音色が心地よくて朝にぴったりの楽曲で、いい気分で1日が始まる」「軽快なリズムで世界が動き出す感じがして大好きです」と、マリンバの音色から活力をもらっている視聴者も少なくないようだ。


 ファンの間では周知の事実だとは思うが、マリンバは星野源にとって音楽の原点とも言える縁の深い楽器。『ANN』のコメントからも伝わるように、星野はマリンバに並々ならぬ情熱を持っており、前身バンドのSAKEROCKから現在に至るまで演奏し続けている。


 例えば、1stアルバム『ばかのうた』では、「老夫婦」や「グー」などにマリンバを使用。初期の楽曲は、アコースティックギターを基調としたバラード曲が多い星野だが、一見切ない印象を受ける楽曲にもマリンバがいい塩梅でポップさを添えている。一方、ダンスミュージック調の「恋」や「Friend Ship」では、「アイデア」と同じくイントロでマリンバが使用されており、冒頭からリスナーの心を掴むフックとなっていた。一般的にはあまり馴染みのない楽器と言えるマリンバ。しかし、その豊かな表現を多種多様な楽曲へと巧みに落とし込めるのは、“マリンバ愛”に溢れる星野ならではのセンスだろう。 


 また、マリンバの演奏家としても、プロ級の腕前を持っている星野。楽曲に使われているマリンバの演奏は、基本的にはすべて自身でこなしているという。ライブで演奏することもあり、マリンバ奏者として細野晴臣のステージにも立っている。その演奏力の高さは、共演した細野が「プロのマリンバ奏者ですよ、もはや。僕もあんなふうには演奏できないし、よっぽど練習したんだろうなって思います」と賞賛するほどだ(参考:細野晴臣が語る、音楽の歴史をつなぐこと「本当におもしろいものは届いてくる」)。ちなみに、星野がマリンバを始めたのは、高校時代に細野がマーティン・デニーの「Firecracker」をマリンバで演奏している写真を見たことがきっかけ(参考:『星野源のオールナイトニッポン』)。昨年開催されたアリーナツアー『Continues』(さいたまスーパーアリーナ公演)ではオープニングナンバーとして同曲を演奏。星野は嬉々とした様子でマリンバを叩き上げ、観客から喝采を浴びていた(参考:星野源は“音楽の歴史”をつないでいく アリーナツアー『Continues』追加公演を観て)。また、「化物」のMVでも華麗なマリンバ捌きを見せており、「アイデア」でも星野がマリンバを演奏する姿が見られるのでは、とファンの間では期待が高まっている。


 星野源の音楽史において、重要な楽器のひとつであるマリンバ。「アイデア」をきっかけに、これまでのマリンバ使用曲を聴き直してみるのもいいかもしれない。(泉夏音)