2019年も就職活動は売り手市場と言われているが、個々の学生にとってそう簡単にはいかないのが実状のようだ。
はてな匿名ダイアリーに4月13日、「就職活動で精神が壊れない人間っているんですか」というエントリーがあった。投稿者は就職活動中の大学生で、技術系でそこそこ実績も残しており、自信はあったという。ところが、面接が進んでいくと「大事なところでつまづいてしまう」と苦悩している。
「就職活動が辛いです。とにかく辛い」
と、ギリギリの精神状態に追い込まれていた。(文:okei)
予想していたパターンと違うことがあるとダメになる
投稿者は、大手企業の3次4次面接まで残ることがあるものの、最終面接が近づくと緊張しすぎて吃ってしまい、うまく受け答えができなくなるそうだ。
例えば、予想していたパターンと違うことがあるとダメになるとしており、
「最終面接だから志望先の最終確認だけだろうと臨んだらガチガチの技術面接で頭が追いつかず動揺してダメになってしまう」
「相手は自分のことをどこまで知っているんだろう」「前と同じ事を言って良いのか」などと、様々な考えがよぎり、「頭が真っ白になってしまう」と振り返る。
あとはもう本命2つしか残っておらず、「そろそろ限界かもしれません」と、心療内科に行ったことがある人からのコメントを求めていた。
労働相談を行うNPO法人POSSEが2010年に行なった「就活調査」では、就活経験者の7人に1人が「就活うつ」状態になっている。その頃よりも学生優位にはなっているが、大手企業に簡単に入れるほど甘くはないし、複数社に試されるプレッシャーは変わらないだろう。
本命企業に新卒で入れなければ人生終わりと思いすぎ
この投稿にブックマークが400以上ついた。就活経験のある社会人からの励ましが目立つ。
「わたしも結局そんな感じで本命の最終失敗して、リーマンショックで詰んだ…と思ったけど紆余曲折を経て今はその落ちた会社を使う側の立場になった」
「就活は長い人生のうちの一部だしいくらでも挽回はきくから大丈夫だ」
また、「本命企業に新卒で入れなければ人生終わりと思いすぎ。全くそんなことはない」という意味のアドバイスも多数寄せられている。一度世の中に出てしまえば、辛い就活も「人生のひとコマ」と思えるものなのだろう。最近は転職市場も活況なので、新卒で入った会社が合わなければ数年で転職する、という選択肢だったある。
しかし渦中にある人は、そう気楽に考えられないものだ。コメントの中には、「大量の企業に対して就職活動しないといけない仕組みがおかしい」など、就活のシステム自体を批判する声も少なくない。
近年は売り手市場なので学生のエントリー社数も減少傾向にあると言われているが、それでも何十社も応募するのが依然として普通だ。疲弊することが前提になっている仕組みとも言えるだろう。
一方で、「心療内科行くといいよ。カウンセリングにも対応してくれるところがいい。緊張感のある場面に耐えられない形質の人もいるし、そもそも人間一生懸命やった挙句否定されたら落ちこむ」という助言もある。休んだり息抜きしたりも必要だろう。就活で忙しいかもしれないが、なんとか気持ちが落ち着く方法をみつけて欲しいものだ。