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楽天のファッションEC事業が好調、ハイコスパな品揃えで30代女性が支持

2018年04月17日 20:52  Fashionsnap.com

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「楽天市場」で取り扱っているアイテムを使いファッショントレンドを発表 Image by: FASHIONSNAP
楽天が運営するファッションECが好調だ。ジャストシステムが今年3月に発表した調査では「洋服などのファッションアイテムを購入する際に最も利用しているECサイト」でZOZOTOWNやAmazonを抑え、楽天市場が1位を獲得。売上高は非公開だが、堅調に推移しているという。特に30代女性のユーザーが多く、多様なテイストのラインナップと"プチプラ"商品などコストパフォーマンスで支持を得ている。

 楽天は1997年の創業時から「楽天市場」でファッションECを展開し、今年で22年目。モール型の楽天市場のほか、直販型の「楽天ブランドアベニュー(Rakuten BRAND AVENUE)」(旧スタイライフ)を運営している。創業時はバッグなどの小物をはじめとする"わかりやすい商品"が売れていたが、ファッションECの成長に合わせて売り手も買い手も成熟し、衣類の売り上げが伸びているという。
 楽天市場では売上を伸ばす施策として、出店店舗に向けて定期的にトレンド勉強会を開催。その内容を参考に、各店舗が独自開発した商品を楽天市場限定で展開するケースも多い。売れ筋はベーシックからトレンドアイテムまで偏りはなく、いずれも高いコストパフォーマンスが購入の契機につながっているようだ。楽天のファッション事業課マーケティンググループマネージャーの中西敬子氏は、「30代女性の中には仕事と家庭の両立を目指す人が多く、買い物の時間は限られている。約4万5,000店が出店している楽天市場はファッションだけではなくインテリアも日用品もすべて揃っていて、隙間時間にひとつのIDで決済できるだけではなくポイントも貯まるので、利便性に優れているのが強み。これが結果として支持につながったのでは」と分析。出店店舗のラインナップは、「アース ミュージック&エコロジー(earth music&ecology)」といったブランドを展開するストライプインターナショナルの「ストライプクラブ(STRIPE CLUB)」や 「アディダス(adidas)」など、カジュアルブランドやスポーツブランドも充実している。
 プチプラ商品の品揃えが最大の特長である一方で、出店を検討するブランドからは「プチプラと並ぶことでブランド力が低下する」という見方もある。中西氏は「ユーザーの中にはアッパーなブランドの商品を求める人もいる。"プチプラと並ぶのはNG"という流れは過去にあったが、国内最大級のECモールとしてのポテンシャルを理解して出店しているブランドも多い」と説明。実際にアッパーなブランドから出店について問い合わせをもらうこともあるという。
 ファッションECの分野はゾゾタウンやAmazonに加え、ストライプインターナショナルとソフトバンクよる「ストライプデパートメント」や三井不動産の「Mitsui Shopping Park &mall(アンドモール)」といった新興サービスも登場し、加熱している。黎明期から事業を展開している楽天は「各出店店舗の成長が、我々の成長にもつながる。ECの流れは早いスピードで変わるので、時代ごとのニーズにあわせて収益を上げていきたい」と長年培ってきたノウハウやデータベースを強みに、今後も市場を牽引していく考えだ。また、新たな試みとして同社のデータベースから分析したファッショントレンドを初めて一般に向けて公開。様々なシーンで活用してもらうことでファッションEC事業の価値を高めていくという。「ゾゾ(ZOZO)」のようなプライベートブランドの展開は計画していないが、ファッション誌「ジンジャー(GINGER)」とのコラボからヒット商品が生まれるなど実績があることから、楽天ならではの切り口によるオリジナル商品の開発も視野に入れている。
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