4月17日、鈴鹿サーキットでスーパーGT公式テストの2日目午後のセッション4が行われ、ウエットコンディションのなか、GT500クラスでは山本尚貴がドライブしたRAYBRIG NSX-GTがトップタイムをマーク。4セッション中3セッションで首位となった。ARTA NSX-GT、KEIHIN NSX-GTが続きホンダNSX-GT勢がトップ3を独占。GT300クラスはK-tunes RC F GT3がトップタイム。LEON CVSTOS AMGが続き、ブリヂストン勢がトップ2に。HOPPY 86 MCが3番手となった。
午前のセッション3が終了した後、事前の天気予報どおり雨が降り出した鈴鹿サーキット。13時30分からスタートしたセッション4は完全にウエットコンディションとなったが、そんななか冒頭の10分間はセーフティカー訓練が行われ、その後各車が周回を重ねていくことになった。
ただ、序盤こそ少しずつ雨が弱まったものの、セッション途中からふたたび雨が強まり、GT300を中心に走行を終了し撤収作業に入るチームも多く見られた。なお、このセッションでは午前の走行中にパーツのダメージがあったD'station Porscheが大事をとって走行を見合わせている。
GT500クラスでは、セーフティカー訓練のみジェンソン・バトンがドライブし、その後山本尚貴に交代して周回を重ねたRAYBRIG NSX-GTが1分53秒565をマークし、3セッションでトップタイムをマーク。2日目の総合では午前にバトンが記録した1分46秒672が、2日間の総合でもバトンの1分45秒787がトップとなった。
「午後はタイヤテストをメインに行いましたが、いいものが見つかりました。ウエット路面はタイミングによって異なりますが、自分がもしライバルの立場だったらイヤなタイムを記録することができたので、そういう“攻撃”をできたのは良かったです」と山本。
「バトン選手が走ってもトップタイムでしたし、コンディションが違うとはいえ僕もトップだった。バトン選手と僕の進化以上に、いいインパクトを残すことができたのではないでしょうか。いつもうまくいくようにやっていますが、ここまでうまくいったテストはひさびさですね」
また、2日間のトップタイムを記録したバトンも「トップは良い気分だね! 今日は昨日に比べて冷え込んでいて、みんなタイヤの発熱に苦労したと思うけど、僕たちも昨日とは大きく違ったので大変だった。タイヤの比較をしたり、ナオキがロングランをやってくれたし、昨日からも大きく進歩できた」と語っている。
「ウエットでもナオキがすごく速かったし、いいテストをしてくれた。ハッピーだね! 鈴鹿ではとても速かったし、チームも富士、鈴鹿に向けて自信をつけたと思うよ。特に僕がね(笑)。スーパーGTは本当に簡単じゃないよ。とても難しいし、他のモータースポーツとは違う。そんななかでこのタイムを記録できたのは自信になるし、僕もナオキももっとプッシュしていきたいね」
GT500の2番手にはARTA NSX-GT、3番手にはKEIHIN NSX-GTが続き、NSX-GT勢がトップ3を独占。ZENT CERUMO LC500、WAKO'S 4CR LC500、KeePer TOM'S LC500とレクサス勢が続き、7番手にカルソニックIMPUL GT-RがつけGT-R勢の最上位となった。上位はブリヂストン勢が占めている。
GT300クラスでも、ブリヂストン装着車がワン・ツー。K-tunes RC F GT3がトップタイム、LEON CVSTOS AMGが続き、3番手にはHOPPY 86 MCがつけた。この日はニュルブルクリンクから戻った松井孝允がドライブしているほか、土屋武士も午前に3周ステアリングを握った。
2日間の総合トップタイムは、今回のテストに新エアロを持ち込んだシンティアム・アップル・ロータスがマークしたが、ドライバーの加藤寛規は「僕たちはタイヤを含めて予選に向けたところを重視してトライをしています。まわりはロングランが多いと思うので、一概には喜べませんね」と語っている。
「とはいえトップにいられるのはタイムが出ているということなので、上の方にいられる安心感はあります」