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中川大志×青春は、なぜハマるのか? 『花のち晴れ』ほか活躍作から見つけた“ある共通点”

2018年04月17日 12:32  リアルサウンド

リアルサウンド

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 4月17日から放送が開始されるTBS系列火曜ドラマ『花のち晴れ~花男 Next Season~』。2005年に井上真央と嵐の松本潤の共演で絶大な人気を博した『花より男子』の10年後の世界を舞台に、超名門の英徳学園に通う“隠れ庶民”の江戸川音(杉咲花)が、学園のリーダー神楽木晴(平野紫耀)とライバル校・桃乃園学園の生徒会長である馳天馬との間で揺れ動く様を描く青春ストーリーだ。


参考:松本潤と小栗旬の英徳学園が蘇る! 『花男』と『花晴れ』に通ずる“ときめき要素”


 物語のキーである三角関係の一角、天馬を演じるのは、近年出演作が後をたたない中川大志。すらりとした高身長と、現在19歳とは思えないほどに落ち着き払った出で立ちで、本作では育ちの良い御曹司を演じる。ライバルとなる平野紫耀とのキャラクター的なコントラストもしっかりと取れており、正統派な少女マンガ的王子様に成り代わっているのだ(もっとも、『花より男子』は往年の人気少女漫画ではあるが『花のち晴れ』は『少年ジャンプ+』連載の少年漫画ではあるのだが)。


 ここ最近の中川の出演作の中で、彼の印象が強く残っているものといえば、やはり今年3月に公開された『坂道のアポロン』だろう。川渕千太郎というキャラクターは少し風変わりで豪快な青年。周囲から思われている暴れん坊なイメージとは裏腹に、実は家族思いで繊細な性格で複雑なバックグラウンドを抱えていたのである。難しい役柄であると同時に、ある意味では同作の最重要人物とも呼べるキャラクターであった。


 Hey! Say! JUMPの知念侑李演じる主人公と、小松菜奈演じるヒロインとの三角関係の一角という点は、奇しくも今回の『花のち晴れ』と似通った部分だ。小柄で少しあどけなさが残るジャニーズの若手ホープたちと比較すると、中川のように大柄で落ち着き払った風貌は好対照となりうるということだろう。同作での知念侑李や今回の平野紫耀に対しての中川は、それぞれでまったく正反対のキャラクターを演じているにもかかわらず、決して相手とキャラ被りすることなく、互いの良さをきちんと引き立たせている。


 思い返してみれば、昨年公開された『きょうのキラ君』では同年代の俳優たちよりも大人びた甘いルックスを生かし、学校一のモテ男を演じた中川。その一方で“大人びた”という特性のベクトルを異なる方向へと発揮させた『ReLIFE リライフ』では冴えない27歳の青年を演じ、たちまち高校生になってしまってからも違和感を感じさせることなく、高杉真宙をはじめとした共演者が放つキラキラした雰囲気ときちんと対をなしていた。


 年相応のようにも見えながら、良い意味でも悪い意味でも“大人っぽい”というニュアンスに当てはまる役をこなす。必然的に同年代の俳優たちが集まるタイプの作品で、それを発揮させることができるというのが、彼の最大の強みなのだ。しかも面白いことに、ここで挙げたすべての作品がマンガ原作という共通点があり、その既存のイメージにしっかりと順応させることができているということだ。


 今回の『花のち晴れ』でも、彼は驚くほど原作の馳天馬の雰囲気に似せてきた印象を受ける一方で、不思議なほどその演技に作り込みを感じさせず、ナチュラルにこなしている。主人公たちの学校と対立する桃乃園学園の生徒会長として、彼が平野と杉崎とともにどのように三角関係を演じきっていくのか、出番の決して多くない第1話からでも十二分に期待できることだろう。(久保田和馬)