F1元最高権威者のバーニー・エクレストンが、現在F1が進んでいる方向性に関し、絶え間なく批判をしていることについて、メルセデスのノンエグゼクティブチェアマンを務めるニキ・ラウダは理解を示している。一方で、エクレストンが新シリーズ設立を計画しているといううわさについては否定した。
「F1が展開していく様子に彼が不満なのは間違いない。私としてもそれは完全に理解できる」とラウダはオーストリアの放送局ORFに述べた。
「我々がバジェットキャップ制度について議論している間、良いレースを実現する代わりに人々を苦しめているのだ」
しかしながらラウダは、エクレストンが同じく新経営陣と対立しているフェラーリと結束し、対抗するモータースポーツシリーズの設立を企てているのではないかという噂については否定している。
「(F1から)離脱するようなプログラムはない。そのような考えはまったくないのだ。第一に、実現には程遠い」と3度の世界チャンピオンであるラウダは語り、以下のように続けた。
「今重要なことは、我々全員が合理的なやり方でF1参戦を継続していけるように、リバティ・メディアと対等な関係性を築くことだ」
現在のF1界において、ラウダはエクレエストンと現在でも定期的に連絡を取り合う数少ない大物のひとりであるため、事情に精通しているのだろう。
「バーニーとはイビサでよく会っている。イースターのときも会った。彼がバーレーンに来たことを嬉しく思っているよ」とラウダ。
エクレストンは、F1を経営する彼の後任者リバティ・メディアが行ったあらゆる決断に対して、公に反論してきている。そのなかでも彼が取り上げたのは、グリッドガールの廃止と将来のエンジン規則だ。
87歳のエクレストンは2017年の初めに、F1新オーナーのリバティ・メディアに地位を明け渡した。彼は名誉会長職を与えられたが、彼によるとそのポジションは実際にはほとんど意味のないものだという。
エクレストンは地位を失ったことを特に不満に感じており、最近訪問したバーレーンGPではAuto Motor und Sportに対して以下のように話している。
「昨年、私はレースコントロールタワーの中にオフィスを構えていた。今や、彼らは私をパドック外のVIPタワーに追いやっている。リバティは私を困らせたいのだろう」