ブランパンGTシリーズ・アジアは4月14~15日、マレーシアのセパン・サーキットで2018年シリーズ第1ラウンドが行われ、レース1・2ともにグループM・レーシングチームのメルセデスAMG GT3が勝利を手にした。
ヨーロッパで人気を博するブランパンGTシリーズのアジア版として2017年にスタートしたブランパンGTシリーズ・アジア。初年度は中国や香港、日本などアジア圏から多くのチームが参戦し盛り上がりをみせた。
迎えるシリーズ2年目の開幕戦、セパン大会にはGT3が21台、GT4が8台と計29台がエントリーし、松田次生や伊藤大輔、木下隆之といったGTドライバーたちも名を連ねた。
■予選
14日(土)、同日午後に行われるレース1のグリッドを決める予選Q1では、セッション開始早々に濱口弘がドライブする63号車ランボルギーニ・ウラカンGT3がコースオフして赤旗が掲示。セッションは残り11分で再開される。
まだどのマシンをタイムを計測していないなかでの赤旗だったため、セッション再開後は各車とも一斉にアタックを開始。そのなかで19号車ランボルギーニ・ウラカンGT3のデニス・リンドが2分3秒367を記録してトップに浮上。
その後方からは27号車フェラーリ488 GT3のイェ・ホンリーがアタックしたものの、リンドには0.019秒届かず。19号車ウラカンGT3がレース1のポールを手にする結果となった。
続くQ2は翌15日(日)のレース2グリッドを決める15分間の争い。ここでもセッション序盤にアロウズ・レーシングの98号車ホンダNSX GT3が赤旗の要因となってしまう。
セッション再開後、まずはグループMのラファエル・マルチェッロ操る888号車メルセデスAMG GT3が暫定トップに立ったが、その後にアタックしていた37号車アウディR8 LMS GT3のジョシュ・バードンが2分2秒495でトップタイムをブレイク。ポールポジションを手にした。マルチェッロに続く3番手グリッドには18号車ニッサンGT-RニスモGT3をドライブした松田次生が続いた。
GT4クラスではグループMの666号車メルセデスAMG GT4がレース1のポールポジションを、チームiレース・ウィンの72号車AMG GT4がレース2のポールポジションを獲得。
BMWチーム・スタディの木下隆之/砂子塾長組81号車BMW M4 GT4はレース1がクラス2番手、レース2がクラス3番手。浦田健/マック・チェン組82号車M4 GT4がレース1、レース2ともにクラス6番手からのスタートとなった。
■レース1
現地14日、15時45分にスタートしたレース1は1周目からセーフティカーが導入され、その後はフルコースイエローが続く立ち上がり。スタートから13分が経過した頃、本格的にレースが幕を開けた。
この際3番手を走行していたグループMの999号車メルセデスAMG GT3は、決勝スタートから25分後、ピットレーンがオープンするのと同時にピットイン。単独走行でマージンを広げる作戦に出る。
一方、FFFレーシングの19号車ウラカンGT3はピットインをギリギリまで先延ばしし、タイヤ無交換作戦を決行。単独走行で追い上げてきた999号車AMG GT3の3.5秒前方でコースに復帰した。
しかし、直後にフルコースイエローが出されたこともあり、ウラカンGT3とAMG GT3によるトップ争いはまたたく間にテール・トゥ・ノーズへ発展する。
前を走る19号車ウラカンGT3のマーティン・コドリッチはタイヤの摩耗が激しいこともあり、徹底的にイン側ラインをキープする防御態勢。対する999号車AMG GT3のパトリック・ニーダハウザーはマシンを左右に振ってプレッシャーを与えていく。
するとレース残り7分を切ったところで迎えたターン7、ブレーキングで止まりきれなかったコドリッチがアウトに膨らんだ隙を突いて、ニーダハウザーがオーバーテイクに成功。そのまま4.3秒までマージンを広げてトップチェッカーを受けた。
日本勢は7位に入った濱口/マルコ・マペッリ組63号車ウラカンGT3が最上位。また永井宏明/伊藤大輔組8号車フェラーリ488 GT3が9位入賞を果たしている。
GT4クラスではポールからスタートした666号車AMG GT4がセーフティカー中の速度違反で30秒のタイムペナルティを受けながらもトップチェッカー。シーズン初戦を制している。
■レース2
翌15日に行われたレース2では、2番手スタートのブライス・ボジー/マルチェッロ組888号車AMG GT3がオープニングラップでトップに浮上すると1周目に3秒までマージンを広げる。
その後もペースを落とさなかった888号車AMG GT3はレース開始から25分が経過した時点で12秒までギャップを広げると、10分間のピットレーンウインドウ終了間際にピットへ向かった。
888号車はレース1で3位表彰台を獲得しているためサクセスペナルティとして5秒の追加ストップを強いられたが、コースへ復帰すると依然として14秒の大量リードでトップを維持。その後も後方からプレッシャーをかけられることなくクルーズして優勝を飾った。
2位は37号車アウディR8 LMS GT3が獲得、3位は濱口/マペッリ組63号車ウラカンGT3が続いた。また次生と谷口行規がドライブした18号車ニッサンGT-Rも7位入賞を果たしている。
GT4クラスはチームiレース・ウィンの72号車AMG GT4がポール・トゥ・ウィンを達成。2位に木下/砂子塾長組81号車M4 GT4が、3位に666号車AMG GT4が入っている。
2018年のブランパンGTシリーズ・アジアの第2大会は5月12~13日、タイのチャン・インターナショナル・サーキットで行われる。