アウディスポーツは4月14日、ABBフォーミュラE選手権第7戦ローマE-Prixの会場でプレイステーション4用ソフト『グランツーリスモSPORT』向けに製作したコンセプトカー『アウディ e-tron ビジョン グランツーリスモ』の実車によるデモ走行を行った。
このアウディ e-tron ビジョン グランツーリスモは、人気タイトルであるグランツーリスモと自動車メーカーがコラボレーションする企画『ビジョン・グランツーリスモ』に向けてアウディが5年の歳月をかけて製作したモデル。ゲーム中にはハイブリッド仕様と電気自動車仕様、2タイプの車両が登場している。
このうち電気自動車モデルについて、アウディは実際にサーキット走行が可能なモデルを製作。そのお披露目をローマE-Prixで行うことをアナウンスしていた。なお、これまでビジョン・グランツーリスモではフルスケール・モデルが製作されることはあったものの、走行可能なクルマを仕上げたのはアウディが初めてだ。
この実車版アウディ e-tron ビジョン グランツーリスモはゲーム中と同じく、4輪駆動方式の100%電気自動車。50:50に重量配分された重さ1450kgの車体には、それぞれ200kWを発生するモーターを1基フロント、2基リヤの計3基搭載している。
このパワーユニット合計の出力は600kW(815馬力)で、0-100km/hの加速は、2.5秒弱。パワーウェイトレシオは1.78kgと驚異的な数値を誇る。
デモ走行は長年アウディのワークスドライバーとしてル・マン24時間やスポーツカー耐久レースで活躍してきたリナルド“ディンド”カペッロがドライブを担当し、アウディのルパート・スタッドラーCEOも同乗しながら、限られた時間のなかで走りを披露。その走りは電気自動車らしく“音”が極端に静かな近未来のクルマが走行しているとの印象を受けた。
また、このマシンはレース前日から会場内に展示され、熱狂的なレースファン、ゲームファンが写真を撮るなど熱い視線を注いでいた。
今後、このアウディ e-tron ビジョン グランツーリスモは世界各地でデモランを実施する予定となっている。