4月16日、鈴鹿サーキットでスーパーGT公式テストの1日目午後のセッション2が行われ、GT500クラスでは終盤の専有走行の時間帯でジェンソン・バトンがアタックしたRAYBRIG NSX-GTがトップタイムをマーク。ZENT CERUMO LC500が2番手、フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rが3番手に続いた。GT300クラスはシンティアム・アップル・ロータスがトップタイム。D'station Porscheが続いている。
初日午前の走行の後にはサーキットサファリも行われるなど、平日のテストながら多くの来場者が詰めかけたスーパーGT鈴鹿公式テスト。14時20分からスタートした午後の走行では、メンテナンスを終えたマシンから続々とコースイン。メニューをこなしていった。
この走行ではレッドフラッグは出ず、各陣営ともロングランを中心にテストを行っていくことになったが、終盤には10分間ずつGT300、GT500の専有走行の時間帯が設けられ、このなかで多くのチームがニュータイヤを装着してタイムを出していった。
GT300クラスでは午後は路面コンディションが変わったか、午前のタイムを更新しないチームも多かったが、今季に向け新しいモノコックを入れリフレッシュされ、鈴鹿テストではさらに新しい空力も投入するなど、オフのテストから好調ぶりをみせるシンティアム・アップル・ロータスが1分56秒820をマークし午後、そして初日総合のトップにつける。
一方、午後の2番手につけたのは、開幕戦で2位に食い込み、第2戦富士の結果を想定したかなり重いウエイトハンデを積んで走っていたD'station Porscheが1分57秒450で2番手につけ好調を維持。3番手にはグッドスマイル 初音ミク AMG、4番手にはLEON CVSTOS AMGとメルセデス勢が続いたが、5番手にはこの日坪井翔がひとりでステアリングを握ったHOPPY 86 MCに。マザーシャシー勢はロングランが非常に速かったようで、第3戦鈴鹿の決勝では間違いなく強さを発揮しそうだ。
■GT500はバトンが1分45秒台を記録
GT500クラスでは11台が午前のタイムを上回ってくることになるが、専有走行の時間帯で激しいアタック合戦が展開されていく。そのなかで、2台だけ1分45秒台に入れたのは、ジェンソン・バトンがアタックし1分45秒787を記録したRAYBRIG NSX-GT、そして石浦宏明がアタックし1分45秒903をマークしたZENT CERUMO LC500だ。
今季注目を集めるバトン、そして石浦の1分45秒台というタイムは、昨年ジョアオ-パオロ・デ・オリベイラによって記録された1分47秒074というタイムを大幅に上回るもの。トップ10までのマシンがレコードタイムを上回っているが、それでも素晴らしいタイムなのは間違いないだろう。ピットで見守った高橋国光総監督も「シビれたね」と目を細めた。
2番手につけた石浦は「午前はクルマがいまひとつだったのですが、このところ走り出しが良くなく、それはチーム全体でなんとかしなければいけません。午後になって良くなり、最後にセッティングを自分好みに合わせてタイムを出したのですが、あれを上回られてしまうとは」とバトンのタイムには驚いた様子だ。
そしてトップタイムを記録したバトンも「午後はロングランをやってきて、今日初めてニュータイヤを入れたんだけど、すごくハッピーだよ!」と首位で初日を終えたことで自信をつけた様子だ。
「ロングランもナオキ(山本尚貴)が午前にタイヤテストをやってくれて、大きな進歩を遂げることができたからね」
3番手には1分46秒177をマークしたフォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rが続き、総合の4番手には午後はトラブルに見舞われたKeePer TOM'S LC500がつけた。5番手にはKEIHIN NSX-GT、6番手にはMOTUL AUTECH GT-R、7番手にはMOTUL MUGEN NSX-GTと、3メーカー、そしてタイヤメーカーの実力も伯仲していることを感じさせる初日となった。