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『半分、青い。』佐藤健が明かす、永野芽郁との関係「“仲のいい人”と“好きな人”の中間くらい」

2018年04月16日 06:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 4月2日から放送が始まった連続テレビ小説『半分、青い。』(NHK総合)。天真爛漫でユニークな感性のヒロインが、故郷である岐阜と東京を舞台に高度成長期の終わりから現代までを駆け抜け、やがて一大発明を成し遂げるまで、およそ半世紀の物語を描いた北川悦吏子のオリジナル作品だ。今回リアルサウンド映画部では、ヒロインの幼馴染・萩尾律を演じる佐藤健にインタビューを行った。初めてのNHK連続テレビ小説出演についてや、自身の演じる律というキャラクターの魅力、そして共演者との関係について話を訊いた。


●初の朝ドラ出演にして、初めての北川作品


ーー初の朝ドラ作品への参加について、率直な感想を教えてください。


佐藤:他の作品と変わらず取り組んでいます。これまで僕は意識的にそうしていたわけではないのですが、結果的にドラマより映画に出演する方が多くなっていました。また、普通の連続ドラマ以上に、テレビというメディアを代表するような“朝ドラ”と自分には接点がないと思っていただけに、声をかけていただけたことが本当にうれしいです。僕みたいな俳優でも出ていいんだと(笑)。


ーー北川悦吏子さんが脚本を手がける作品に参加することに特別な思いはありますか?


佐藤:『ロングバケーション』(フジテレビ系)など、北川さんの手がける作品が以前から好きだったので、いつかご一緒できたらなとぼんやり思っていました。朝ドラは拘束期間が長いですし、参加させていただけることは大きな経験になると思っています。


ーー現場に入って改めて感じた北川作品の魅力とは?


佐藤:脚本を読んでまず思ったのは、ドラマの画がハッキリと見えていること。その画を伝えるための設計図のような脚本だという印象を持ちました。ただセリフやト書きが書いてあるということではなく、ドラマを作る意志を脚本に感じて、ドラマを作る本質を見たような気がしました。あとはセリフが面白く、それがキャラクターや作品の魅力になっていると思います。


ーー佐藤さん自身、かなり手応えを感じているという話を聞きました。


佐藤:やはり脚本による部分が大きいです。僕自身、次の話が楽しみで読み進めてしまいますし、実際に現場でヒロインの鈴愛のことを見ていると、絶対にみんな彼女のことを好きになるだろうなと思うんです。異性としてだけでなく、応援したいという気持ちであっても、鈴愛のことを好きになる。すると、あとは彼女が何をしていても見ているだけで面白いと思える作品になるのではないかと。それだけで初回から最終回までご覧いただけるんじゃないかと思います。


ーー朝ドラの大変さは感じていますか?


佐藤:深夜まで撮影して、翌日の早朝からまた同じシーンを撮影することもあるので大変ですね。特に永野芽郁さんは毎日そういうスケジュールなので、「これは大変だな」と思いながら見ています。でも撮影の要領はすこぶるよくて。みんなのチームワークもいいですし、長年やられてきているプロの力というか、伝統の力みたいなものを感じています。


●演じる律というキャラクターに関して


佐藤:まだ今のところ律が僕自身の年齢を上回るところまで(撮影は)いっていないのですが、高校生から40代まで年齢を重ねていくことに関しては、今のところはあまり意識していません。でもこれからその意識が必要になってくるかもしれませんね。


ーー律というキャラクターにはどんな印象を持ちましたか?


佐藤:最初に律に触れたときは、自分に近いなと思いました。だから自然体で演じて、自分の素が出てもいいのかなと。自分と律の重なる要素は多いです。


ーー北川さんが当て書きをしている影響も大きそうですね。


佐藤:「役者の実態が掴めないと書けない」と北川さんはおっしゃっていたので、それはあると思います。でも、お会いする前から書いていただいていたにも関わらず、重なる部分が多かったのは不思議だなと思いました。律はロボットを作ろうとしているなど思考が理系なのですが、彼の興味を持つことが、自分の興味と重なる部分が多いんです。あとは、周囲に対してどこか冷静でいてしまうところですね。


ーー律の魅力はどこにあると思いますか?


佐藤:律が動くことでその人生を体現するのではなく、周りのキャラクターの存在によって律というキャラクターが浮き上がってくる、そんな印象です。律は素敵な性格で、優しいし頭もいい。魅力的な人物であるのは間違いありません。ただ、律に関するエピソードを、周囲の律への期待が上回っている気がするんです。そこが難しくもあり、自分の力で埋めないといけないなと思っている部分です。これは台本を読んでいて今まで感じたことのないプレッシャーであり、ハードルでもあります。だから現場では、あるエピソードに律が身を投じることで魅力を出そうとするのではなく、周囲からの期待を身に纏える存在でいたいなと思っています。


●共演者との関係性


ーー鈴愛と律の関係性は重要ですよね。恋愛感情とは違う形でお互いに想い合っていて、複雑で難しいと思います。そこはどう捉えていますか?


佐藤:目指している形としては、恋愛するタイミングを逃してしまった2人であって、“すごく仲のいい人”と“好きな人”の中間くらいなイメージです。できるだけ肌の接触がないようにだとか、距離感には気をつけています。律としてもそこを気にしているところがあって、それを考えると、鈴愛のことを女として意識しているんだろうなと思いながら演じています。でも若さ故に、気持ちに気付けなかったりだとか、気持ちに蓋をしてしまっていたりするんじゃないかと。


ーー鈴愛役の永野芽郁さんとの関係性はどうですか?


佐藤:現場ですごく話しますし、仲良くやっています。東京では、朝井正人(中村倫也)も絡んでくるので、鈴愛と正人の2人のシーンを撮るときはお互いに冷たくなります(笑)。


ーー幼なじみの雰囲気はすぐに作れたようですね。


佐藤:最初から話しやすかったですし、自然体でいられました。だから逆に言えば、話さなくてもいいし、気を張る必要がなかったですね


ーー岐阜パートでのロケはいかがでしたか?


佐藤:律はバスケ部という設定なので、バスケシーンを撮ったのですが、僕自身はこれまでほとんどバスケをやってこなかったので、人生で初めてたくさんバスケをやりました。なのでクランクイン前はバスケの練習をかなりやっていましたね。それが大変でした。


ーー岐阜編と東京編では出演者もガラリと変わります。気持ちの変化などもありそうですね。


佐藤:豊川悦司さんが登場することで空気が変わったりすることはありますけど、どちらも鈴愛との共演シーンが多いですし、僕自身が気持ちの面で何か変えていこうとしたことはなかったですね。


ーー豊川さんとの共演はどうですか?


佐藤:秋風先生は実際に動いて喋っているところが想像のつかないようなキャラクターですし、どうやって演じるんだろうなと思っていたんです。でも豊川さんが演じられるとすごく自然で。「こういう人いるよなあ」と思えたし、「あっ、秋風羽織だ」と思えて感動しました。


ーー律が高校時代に運命的な出会いをする伊藤清(古畑星夏)も出てきますし、東京編の見どころは鈴愛の恋と律の恋だと思います。


佐藤:清といるときの律と、鈴愛といるときの律は違うんですよね。だから鈴愛と律の関係を応援してくれている人たちにとってはちょっと寂しく感じてしまうかもしれません。彼女たち2人のシーンは東京編最大の見どころなのではないかと思います。ぜひ楽しみにしていてほしいです。


(取材・文=折田侑駿)