4月15日現地時間14時10分、中国GP決勝が行なわれた。この日は朝から晴天に恵まれ、気温は19度、路面温度は39度まで上がった。Q3進出組では上位2チームがソフト、10番手以下ではミディアムのピエール・ガスリーとウルトラソフトのブレンドン・ハートレーを除いた全車がソフトとはっきりタイヤ選択が分かれた。
マーカス・エリクソンは予選Q1での黄旗無視で3グリッド降格ペナルティを科されたが、最後尾グリッドのままスタートに臨むことになった。
スタート加速は2番グリッドのキミ・ライコネンがまさりポールのセバスチャン・ベッテルに並びかけるが、ベッテルはターン1のアウトから被せて首位を守り、ややバックオフを強いられたライコネンは逆にアウトからバルテリ・ボッタスに2番手を奪われてしまう。後方でさらにマックス・フェルスタッペンもこれに続いて3番手に浮上し、ルイス・ハミルトンはターン9でライコネンのインを狙うが抜けず5番手に留まる。
その後方はダニエル・リカルド、バックストレートでカルロス・サインツJr.を抜いたニコ・ヒュルケンベルグ、サインツ、ロマン・グロージャン、ケビン・マグヌッセンの順となり、トロロッソ・ホンダ勢はスタートでやや出遅れて15番手セルゲイ・シロトキンを先頭とする集団に引っかかるかたちで18番手ハートレー、19番手ガスリーとなる。
トロロッソは4周目のバックストレートで2台の順位を入れ換えてガスリーにルクレール攻略の役割を担わせハートレーのタイヤを守るとするが、追い抜きはなかなか果たせない。9番手・10番手のハースも6周目に順位を入れ換える。
首位ベッテルはじわじわとボッタスを引き離して行き、フェルスタッペンもこの2台には付いていけずライコネン、ハミルトン、リカルドもこれに1.5秒前後のギャップで続く。7番手ヒュルケンベルグは10秒以上離され中団はややばらける。
暑さのためかウルトラソフトはタイヤのデグラデーションが早く、10周目には早くもハートレーがピットイン。これを契機に11周目にはエステバン・オコン、12周目にはサインツとセルジオ・ペレス、13周目にはヒュルケンベルグと次々とピットストップが始まる。17周目にはレッドブル勢が同一周回に2台をピットインさせ、18周目にはハミルトンがライコネンに対し、19周目にはボッタスがピットインしてベッテルに対してアンダーカットを仕掛ける。フェラーリは20周目にベッテルをピットインさせるがボッタスにアンダーカットを許してしまう。
後方では20周目にガスリーがピットインしてシャルル・ルクレールにアンダーカットを仕掛け、翌周ピットインしたルクレールの前に出たが、早めにピットインしていたハートレーの8秒後方となった。
ステイアウトして首位に立ったライコネンだが、25周目にはボッタスが追い付き、26周目のターン3でインを突いて首位を奪い取る。ベッテルもこれに続いてターン6でライコネンの前に出てボッタスとの差を一気に縮めた。
29周目のターン14でハートレーが譲ってくれたと思ったガスリーがインに飛び込んで接触しフロントウイングを破損。このデブリが出たためセーフティカーが導入され、レッドブル勢や中団勢などがピットインを済ませて上位勢のギャップも縮まる。首位ボッタス、2番手ベッテル、3番手ハミルトン、4番手フェルスタッペン、5番手ライコネン、6番手リカルドの順となるが、レッドブル勢は上位勢に比べて12~3周も新しいタイヤを履いている状況となった。
36周目にレースが再開されると、タイヤの温まっていないマグヌッセンをヒュルケンベルグがパスして7番手へ、グロージャンをアロンソがパスし9番手へ浮上。サインツもこれに続いた。その後方はオコン、ペレス、ストフェル・バンドーン、ランス・ストロールと続いて、ガスリーは16番手を走るが10秒加算ペナルティを科されてしまった。
ボッタスはじわじわとベッテルを引き離していき、ハミルトンとフェルスタッペンがベッテルの背後に迫る。リカルドもライコネンをパスしてこの2台に迫ると、39周目にフェルスタッペンはターン7でハミルトンのアウト側に並びかけていくが、僅かにアウトにはらんだハミルトンを避けるためコースオフ。
この間にリカルドが前に出て40周目のターン14でハミルトンのインを突いてパスし41周目にはファステストラップを記録してさらに2番手ベッテルにプレッシャーをかけていきバックストレートでDRSを使って易々とパスしてみせる。
フェルスタッペンは42周目のターン6ではミルトンのインを突いてパス。43周目のターン14でボッタスがタイヤをロックさせると、その背後で同じようにロックしたベッテルのインをフェルスタッペンが突くものの両者は接触してスピン。この間にライコネンが3番手、ハミルトンが4番手となり、フェルスタッペンは三度目の追い上げを課せられたうえ10秒加算ペナルティも科されてしまった。
リカルドは首位ボッタスを追い詰め45周目のターン6でボッタスが閉めたインにさらに飛び込んでパスし、ついに首位に立ってしまった。リカルドはそのままトップでチェッカードフラッグを受け今季初優勝。ボッタスはライコネンの追撃を振り切って2位、ライコネンは3位。フェルスタッペンは4位でフィニッシュしたものの10秒加算で降格となり最終結果はハミルトンが4位、フェルスタッペンが5位となった。
ヒュルケンベルグが6位、ベッテルは終盤タイヤが厳しくペースが落ち、55周目のターン3でアロンソがアウトから被せて6位に浮上。ベッテルは「コースから押し出すなんて許されるべきじゃない」と抗議するがアロンソは「彼は楽観的過ぎた」と持論を主張した。
ガスリーはストロールをテールトゥノーズで追いかけたものの抜ききれず、15位でチェッカーを受け最終結果は18位となった。最後尾を走っていたハートレーは次戦でのギヤボックス交換を考慮してピットインしリタイアを選んだ。