2018年F1第3戦中国GP、前戦の好調が嘘のようにトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーは予選を17番手に終わってしまった。今回苦戦を強いられた原因は何だったのか?予選後に現在の状況をインタビューした。
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──予選では予想外に苦戦を強いられた?
ピエール・ガスリー(以下、ガスリー):まずFP3で金曜日とマシンフィーリングが全然変わってしまっていた。3回ほどクラッシュしそうになったくらい、挙動が不安定だったんだ。
セッション中に何度もセッティングを変えたけど、満足行く状態にはならなかった。そこから予選までに何とかしたかったけど、原因を十分に分析する時間もないし、少し変更を加えただけでそのまま出て行かざるをえなかった。
そしたらトリッキーな挙動は予選でも全然直ってなくて、あれが精いっぱいだった。中団グループはここでも超接戦で、だからすべてがうまく回ってないと、結果はてきめんだよね。
──強い風の影響も大きかった?
ガスリー:それは、確かにあるね。データにもはっきり出てる。でもそれはライバルたちも同じ条件だし、僕たちのクルマの空力特性が、特に風に対して影響を受けやすいのかもしれない。でも同じように風の強かった初日は、ここまでひどくなかったわけだし。
──初日のフリー走行後、セッティングを変更した?
ガスリー:けっこう大きく変えたのは事実だよ。でもこんなに挙動がひどくなってしまうのは、まったくの想定外だった。とにかく今日のクルマは、どこに飛んで行ってしまうのか、まったく予測不能だった。たった一晩で、バーレーンまでの強さが吹っ飛んでしまった感じだ。
──考えられる原因は?
ガスリー:わからない。タイヤ由来のものなのか、もっと別の原因があるのか。おそらく強風とか予想外の低温とか、セットアップの方向性とか、いろんなマイナス要因が重なったからだと思うけど。とにかくタフな予選だった(ため息)。
──ブレンドン(ハートレー)とは、すでに話し合った?
ガスリー:いや、まだ。今朝の時点ではお互いのセットアップはけっこう違ってたから、事前に話し合うこともなかったしね。これからデータを共有して、原因を突き止めようと思うけど。
──まさかQ2に行けないとは思わなかった?
ガスリー:さっきも言ったように、接戦になるのはわかってた。なので少しでも歯車が噛み合わなければ、手ひどい目に合うのは覚悟してたよ。とはいえ、ねえ……。
──ここまでとは、思わなかった?
ガスリー:(苦笑)
──レースペースは、どうでしょう?
ガスリー:初日のロングランは、そんなに悪くなかった。ウルトラソフトでも、劣化はそんなにひどくなかったし。ペース的には、今ひとつだったけどね。とにかく予選が終わった今は、もうクルマに変更は加えられないし、レースではこの状態のままでベストを尽くすしかない。それに明日は気温が上がるはずだし、コンディションが変われば状況も変わるはず。だからもちろん、あきらめてないよ。
──低温でグリップを失った状態は、冬のバルセロナテストに似ている?
ガスリー:そうだね。でもここまでグリップは、ひどくなかったよ。
──グリップ不足は、フロント?リヤ?
ガスリー:リヤタイヤだね。ひどいオーバーステアで、トラクションも全然なかった。だからターン3、ターン6、ターン13などなど、上がりのトラクションが必要なコーナーで、全然加速しなかった。
──パワーユニットのパフォーマンスも、影響している?
ガスリー:いや、それはない。確かにストレートがかなり長いから、パワーがあるに越したことはない。でも同じようにパワーサーキットのバーレーンでは、十分以上に戦闘力があったしね。今日の問題は、エンジンとはまったく関係ないよ。
──バーレーンであれだけ速かったのが、ここではひどく手こずらされた。トロロッソ・ホンダの真の実力は、実際にはどちらなんでしょう。
ガスリー:バーレーンが典型的だったけど、セッティング変更に素直に追従してくれて、望む方向に煮詰めることができるマシンのはずなんだ。それだけに今日のような事態は、いっそう理解できない。
おそらく今年のクルマに対する理解が、まだ完全じゃないということなのかもしれない。思い返せばバルセロナテストでは安定してペースが刻めたのに、メルボルンは手こずった。そしてバーレーンは完璧に仕上がったのが、この週末は初日と二日目で挙動が激変してしまってる。
──初日の時点では、予選でどこまで行けると思ってました?
ガスリー:トップ10に入るのは簡単じゃないとは思ったけど、でもQ2組の上位まで行くのは十分可能なはずだった。
──開幕戦の予選と今回では、どちらが厳しいですか?
ガスリー:メルボルンは、完全に僕のミスだったからね。それが今回は、何が起きてるのかよくわからない状態だし、その意味でははるかに厳しい。でもさっきも言ったように、レースはまた違った状況になるはずだし、とにかく明日は全力を尽くすよ。