4月14日、東京・お台場で『モータースポーツジャパン2018フェスティバル・イン・お台場(MSJ)』が行われ、荒天予報を受け会期が短縮されるなか、多くのモータースポーツファンが集まり、賑わいをみせた。
今年で13回目の開催となるMSJは長年秋口に開催されてきたが、ここ数年はモータースポーツシーズン開幕を盛り上げるべく4月開催に移行。アクセスしやすいお台場での開催で入場無料ということもあり、例年多くのモータースポーツファンや家族連れが訪れるイベントだ。
今年は14日(土)~15日(日)の2日間で開催予定だったが、15日は降雨と強風の予報が出ており、MSJは仮設テントを使った屋外展示が主なイベントということから、2日目の開催は中止。初日となった14日についても予定より約1時間半ほど会期が短縮されている。
急きょのスケジュール変更を強いられたが、イベント当日はオープン前からモータースポーツファンが列をなすなど盛況ぶりをみせ、JRC全日本ラリー選手権を戦うスバルWRXSTIや軽自動車を往年のレーシングカーそっくりにモディファイしたK4GPなどのデモラン、スーパーフォーミュラやスーパーGT参戦マシンのコクピット体験などを楽しんでいた。
また、場内にはトロロッソ・ホンダF1のプロトタイプマシンやホンダNSX GT3、スズキGSX-RRといったレーシングマシンが展示されたほか、各自動車メーカーやサーキットのブースも出展され、注目を集めた。
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■MSJ名物のスーパーGTピット対決は20秒切りのNISMOに軍配
また、レースウイークを彷彿とさせるイベントとしてはスーパーGTマシンを使い、ピットストップの速さを競う『SUPER GTピットストップコンテスト』を開催。今年はレクサスLC500テストカーを持ち込んだレクサスと、2013年型のMOTUL AUTECH GT-Rを持ち込んだニッサンによる一騎打ちが繰り広げられた。
このピットストップコンテストでは、各チーム2回ずつタイヤ交換とドライバー交代を実施し、そのなかで最速タイムを記録したチームが勝利となる。
先行を務めたのは2017年のピットストップコンテストを制しているNISMOチーム。ドライバーはロニー・クインタレッリとミハエル・クルムが務めた。
NISMOの一回目は大観衆が見つめるプレッシャーからか、左リヤタイヤの交換に手間取ったこともあり、31秒44という結果。
続くレクサス陣営はドライバーが中嶋一貴と関口雄飛のau TOM'S LC500のコンビ。メカニック陣はLEXUS TEAM LEMANS WAKO'Sのスタッフが務めるジョイントチームで挑むが、こちらもタイヤ交換に手間取り、1回目は31秒17というタイムとなった。
これでプレッシャーが薄れたNISMO陣営は、2回目の作業をレース本番さながらにミスなく決めて19秒28を叩き出す。1回目のタイムを大きく上回る記録となり、クルムからステアリングを引き継いだクインタレッリはドーナツターンを披露して“勝利宣言”。レクサス陣にプレッシャーをかける。
これで後がなくなったレクサス陣営だが、冷えた状態のカーボンブレーキではマシンを止めるのが難しいこともあり、ストップ位置をわずかにショート。作業が終わるとマシンに乗り込む一貴がタイヤスモークを上げながら発進したものの34秒07とNISMOのタイムを上回ることはできず。NISMOがコンテスト連覇を飾った。
■イベントフィナーレのカート対決はハプニング連発
またイベントのフィナーレにはトヨタとニッサン、ホンダ、スバル、現役カートドライバーチーム『KMIA』の5チームがカートでバトルを繰り広げる『メーカー対抗レーシングカートバトル』も行われ、各陣営のドライバーがバトルを展開。
今回もフリー走行、予選、決勝(1レース15周の2ヒート制)とレースウイークさながらのスケジュールで行われた。
またドライバー交代時には『指定された形に積み木を積み上げる』という課題も課されたが、この日の会場は風が強く、各陣営とも苦戦したこともあり、ヒート2は課題を撤廃。純粋に15周のレースが繰り広げられ、ドライバーたちがガチンコバトルを演じてみせた。
レースでは小林可夢偉と国本雄資、山下健太の3名が挑んだレクサス陣営が積み木で“フライング”したほか、ホンダ陣営の松浦孝亮が山本尚貴のヘルメットを被って走行するなどのイベントならではのハプニングも見せつつ走りでファンを魅了。最終的には可夢偉や山本、千代勝正、久保凛太郎など現役GTドライバーを擁するメーカー系チームを抑え、名取鉄平たちが名を連ねた現役カートレーサーチーム『KMIA』が総合優勝を果たしている。
日曜の開催は荒天予報を受け中止となったが、土曜日はカートレース終盤に雨が降ったほかは天気に恵まれたこともあり、多くのモータースポーツファンがお台場に出現した“サーキット”の雰囲気を堪能していた。