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「かぼちゃの馬車」元社長に7000万円の高額報酬…旧経営陣の責任問題、金融庁も関心

2018年04月14日 10:22  弁護士ドットコム

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女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」の運営会社スマートデイズ(赤間健太社長)が自主再建を断念し、民事再生法の適用を申請した問題で、スマートデイズは4月14日午後2時から、東京都千代田区の「TKPガーデンシティPREMIUM秋葉原」で第2回オーナー向け説明会を開く。


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第1回説明会(4月12日夜に開催)では一時騒然となる場面もあったが、2回目はどうなるか。「会社が存続する民事再生ではなく、破産し、不透明な金銭の流れも明らかにせよ」と求めるオーナーは多く、元社長の大地則幸氏ら旧経営陣の責任追及も論点になりそうだ。


●「急成長」は会社員の借金のおかげ

スマートデイズ(旧社名:スマートライフ、2012年8月設立)は、「長期の家賃保証」をうたうなど甘い言葉を巧みに使い、結果的に多くの会社員に多額の借金を負わせる形で成長した。弁護士ドットコムニュースが関係者から入手した内部資料によると、会社の業績は以下のとおりだ。


<2017年3月期>


売上高316億9664万円、営業利益4億3068万円、純利益4581万円


<2016年3月期>(決算期変更のため2015年8月から2016年3月の8か月間)


売上高263億4967万円、営業利益27億5268万円、純利益15億7063万円


<2015年7月期>


売上高188億6916万円、営業利益12億596万円、純利益6億4595万円


上記の内部資料には役員報酬の記載もあった。それによると、レオパレスなどを経て、2015年4月に32歳の若さで社長に就任した大地則幸氏に対する役員報酬が、2017年3月期は7083万3339円で、2016年3月期は6666万6672円だった(大地氏は2018年1月12日の臨時取締役会で退任)。


●進まぬ責任追及、外部調査委員会どこへ

東京地裁に損害賠償請求訴訟を起こした原告の代理人を務める加藤博太郎弁護士は、「高額な役員報酬に加え、不透明な金銭の流れもあり、破産させて徹底的に責任追及をする必要がある」と話す。保証賃料を一方的にゼロにされ、借金返済に苦しむオーナーたちにとってはとりわけ受け入れがたい。


事業が頓挫したことに加え、不透明な金銭の動きを指摘する声があったことも受け、スマートデイズでは大地氏らの法的責任を問おうとする動きが一時あった。2018年1月31日、不正な資金流出の有無を含め一連の問題を調べるためとして、「外部調査委員会」を設置すると発表。2月16日には弁護士と公認会計士による外部調査委員会を設置したと発表していた。


ところがその後、外部調査委が活動しているかどうか、うかがい知れなくなった。4月12日の説明会で外部調査委の調査が何も進んでいないことをオーナーから指摘されると、スマートデイズ側は「おっしゃるとおり」と事実上、進展がないことを認めた。


●金融庁、スルガ銀行へ立ち入り検査と報道

シェアハウス建築のために多くの会社員に1億円超の融資をしたスルガ銀行の融資姿勢も問題視されている。報道によると、事態を重くみた金融庁がスルガ銀行の融資の審査体制などを調べるため、立ち入り検査に乗り出したという。


融資審査の段階では預金残高などが改ざんされた通帳のコピーが使われたこともあり、横浜市内の支店で融資を受けるよう勧められていたとも指摘されている。日経新聞は4月13日、スルガ銀行の一部役員が主導する形で改ざん行為などに関与した疑いがあると報じた。


(取材:弁護士ドットコムニュース記者 下山祐治)早稲田大卒。国家公務員1種試験合格(法律職)。2007年、農林水産省入省。2010年に朝日新聞社に移り、記者として経済部や富山総局、高松総局で勤務。2017年12月、弁護士ドットコム株式会社に入社。twitter : @Yuji_Shimoyama


(弁護士ドットコムニュース)