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菜々緒、共感される“悪女”になれるか? 『Missデビル』と『女王の教室』の共通点を探る

2018年04月14日 06:01  リアルサウンド

リアルサウンド

 連続ドラマ『Missデビル 人事の悪魔・椿眞子』が本日4月14日よりスタートする。前クール『もみ消して冬~わが家の問題なかったことに~』に続き、土曜日の夜を楽しませてくれるコメディとして期待が集まっている本作だが、なんといっても注目は主演を演じる菜々緒。ゴールデン帯のドラマでは初主演となる菜々緒は、本作で“Missデビル”の異名を持ち、企業を“破壊”して改革を進めていく人事コンサルト・椿眞子役を演じる。


参考:Sexy Zone 佐藤勝利のメモリアルな作品に? 『Missデビル』“新入社員”役がハマる理由


 2015年放送の『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』(関西テレビ・フジテレビ)で菜々緒の演技に惹かれたという完熟ライティングマシーンの麦倉正樹氏は『Missデビル』への期待を次のように語る。


「菜々緒さんは、2017年から今年にかけて、『A LIFE~愛しき人~』(TBS系)、大河ドラマ『おんな城主 直虎』(NHK総合)、『ボク、運命の人です。』(日本テレビ系)、『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系)と助演女優として、各作品で作品に彩りを与えていました。『BG』では運動能力の高さを見せつけ、『直虎』では家康(阿部サダヲ)の妻として女の強さを体現するなど、各作品で確実に演技の幅を広げているように感じました。これだけの飛躍のきっかけとなった作品は、『サイレーン』での“悪女”っぷりが大きかったのは間違いないです。世間的にも“悪女”が似合う女優のイメージが強い菜々緒さんですが、正真正銘の悪女を演じるのは『サイレーン』以来。まさに“満を持して”の主演作と言っていいと思います」


 悪女×土曜日テレドラマという組み合わせについて、麦倉氏は、懐からメガホンを取り出し、低く響く声で「あるドラマを連想させる」と続ける。


「“悪魔”のような存在の主人公が、会社に必要ない人間は容赦なくクビにし、会社を変革していく。このあらすじを見たときに、パッと思い浮かんだのが天海祐希さん主演の『女王の教室』(日本テレビ系)でした。周りの空気を読んで大事なことができない、本当に正しいことが分からない、そんな社会にメスを入れる強い女性像。『女王の教室』は過激する描写にクレームが殺到したこともあったそうですが、その一方で核心を突いた強烈なメッセージが受け入れられていたことも事実です。本作は舞台が“会社”という大人な世界なだけに、より現代社会への提言をもたらす作品になることも期待したいですね」


 『女王の教室』で天海が演じた阿久津真矢が単なる悪女でなかったように、菜々緒が演じる椿眞子も、視聴者から共感される要素が必要だと、髪を振り乱しながら核心めいた口調で麦倉氏は言う。


「『サイレーン』のときのような作品をかき乱す立ち位置の役柄なら別ですが、主人公という立ち位置である本作の場合、本当にただの“悪女”なら視聴者は誰も付いてきてくれません。それだけに、菜々緒さんの演技力が大きく問われる作品になります。様々な役柄で演技の引き出しを増やした菜々緒さんが再び演じる悪女、固唾を飲んで見守りたいです」


 『A LIFE』や『BG』など豪華共演者に囲まれる中でも確かな存在感を発揮してきた菜々緒。本作では、Sexy Zoneの佐藤勝利をはじめとした若手俳優に囲まれる側の立ち位置となるだけに、女優として、また新たなステップを踏み出すことになりそうだ。(石井達也)