ABBフォーミュラE選手権は4月12日、シリーズのオフィシャル・スマートチャージ・パートナー、オフィシャル・パワー・パートナーにイタリアのエネルギー企業である『Enel(エネル)』を迎えると発表した。
今回、パートナーに就いたエネルは以前はイタリア国有企業だったこともあり、世界有数の規模を誇る電力事業・エネルギー会社。
同社は以前からフォーミュラEとパートナーシップを結んでいるほか、電動バイクで争われる『FIM Moto-e World Cup』にも就任するなど、電動マシンによるモータースポーツ活動へ積極的に関与している。
フォーミュラEでは2018年末開幕の第5シーズンから“Gen2”と呼ばれる第2世代シャシーを投入。このマシンでは現行マシンからバッテリー容量が約2倍に引き上げられ、レース中の車両乗り換えが不要となる。
エネルは、この大容量バッテリーを1時間以内に充電できる80kW出力の急速充電システムを提供する。
4月14日に開催を控えた第7戦ローマE-Prixの会場で、フォーミュラEのアレハンドロ・アガグCEOは「エネルとのパートナーシップを拡大・延長できたことをうれしく思うし、彼らの本部からほど近いローマで発表できたことも喜ばしい」と述べている。
「フォーミュラEは電動モビリティの可能性を押し上げるために、エネルや(タイトルスポンサーの)ABBが持つ技術の助けを借りてイノベーションを続けていく」
「モータースポーツはラップタイムやライバルとの差など、時間を競うものだ。だから、充電時間の早さも重要になる。それはサーキットでも公道でも、自宅でも変わらない」
エネル内でデジタルソリューションなどを担当するエネルX部門を率いるフランチェスコ・ベントゥリーニは「フォーミュラEと3年間ともに働いてきた上で、今回新たな提携について発表できたことは、我々にとって新しい一歩だ」と語った。
「我々が提供する急速充電技術と(充電システムの)スーパーチャージャーにより、バッテリー容量が拡大する第2世代マシンは乗り換えなしでレース距離を走破できるようになる」
「我々エネルがフォーミュラEのパートナーを務めることは、我々がグローバルレベルで電動モビリティの可能性を押し広げるというコミットメントを強調するものなんだ」