自炊が面倒な時や、仕事が夜遅くまで長引いた日に、ふらっと立ち寄って食事ができる飲食店は便利だ。店に入るとたいてい、店員に「お飲物は?」と聞かれるが、人によってはこの質問が「何か頼まなければいけない」というプレッシャーになるようだ。
はてな匿名ダイアリーに4月9日、「酒を飲まずに夕飯を食べられる店が少ない問題」というエントリがあった。投稿者は夕食を外でとる際、食べ物だけ注文してさくっと帰りたいのだが、気になるお店があっても
「『飲み物どうなさいますか?』のプレッシャーが怖くてなかなか入れない」
という。酒は好きだが平日から飲みたいほどではなく、長居しないのならソフトドリンクを頼むのも「ばからしい」と考えている。この結果、いつも夕食はラーメン屋かチェーン店を選ぶしかなく、困っている様子だ。
「店の利益率とかまで客が考える必要なくない?」「お水かお茶を、と言えばいい」
このエントリには約400件のはてなブックマークがつき、ネットで話題になった。
「お酒で利益だしているタイプのお店には入りにくい」「夜だととくに、なんで飲むこと前提なのよって思うな。世の中飲めない人も多いのに」など、投稿者に共感する人も一定数いたが、投稿者のぼやきは「気にしすぎだ」と指摘する意見が多い。
「飲み屋的な店以外は何も問題ないだろう そんなプレッシャーは感じるほうがおかしい」 「『お飲み物は?』と聞かれたら『お水かお茶を』と言えばいい」
飲み物の注文を促されても、投稿者が「いりません」と伝えれば済む話、というわけだ。
飲食店の中にはドリンクで利益を出すビジネスモデルのところも多いため、投稿者は「飲み物を注文しないのは失礼」と考えてしまうのかもしれない。しかし、
「入りにくいのはわかるが、店の利益率とかまで客が考える必要なくない?」
というコメントもあるように、そこまで気を遣う必要もないだろう。食べたいものを注文する、いらない物は断る、それで解決する話だ。
「グルメサイトとかで、酒なしOKみたいなフィルタを作るのは需要あるんじゃないかな」
筆者は、和食飲食店で働いた経験のある30代女性に話を聞いてみたが、
「お店からすれば、お客さんがドリンクを注文すると利益ができるので嬉しいのは確かです。しかしドリンク注文は強制ではありません。料理だけを注文する方もいましたよ」
と、食事だけ注文する客を迷惑がってはいなかった。
お酒を飲むことが主目的のバーなどで、おつまみだけ食べ続けるのはまずいかもしれない。だが投稿者が言う飲食店はそうではなく、食事が主目的の店のはずだ。であれば、食べ物だけの注文でも問題はないだろう。
集まった数々のコメントを見て、投稿者は後に、
「店側としてはドリンクで儲けを出したいていう考えはわかるんだけど酒は飲めないけど美味しいご飯が食べたいっていう層はけっこういると思うんですよね。グルメサイトとかで、酒なしOKみたいなフィルタを作るのは需要あるんじゃないのかなと」
と追記していた。