モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第7戦テキサス
カイル・ブッシュが今季初勝利!
トヨタ勢2人目の“プレーオフ”確定
米国トヨタのホームであるテキサスで、カイル・ブッシュが強さを見せ、今季初勝利。マーティン・トゥルーエクスJr.に続き、トヨタ勢としては2人目の“プレーオフ”進出を確実なものとしました。
また、カップ・シリーズ2年目の21歳、エリック・ジョーンズが今季最上位の4位に入りました。エクスフィニティ・シリーズでは、ルーキーのクリストファー・ベルが素晴らしい追い上げを見せて2位フィニッシュ。ライアン・プリースと共に、2台のトヨタ・カムリがトップ5フィニッシュを果たしました。
Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第7戦 O'Reilly Auto Parts 500
開催日:4月8日
カイル・ブッシュが今季初勝利!
トヨタ勢2人目の“プレーオフ”確定
4月8日(日)、米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第7戦『O'Reilly Auto Parts 500』が開催されました。イースター休暇のため、NASCARでは珍しい1週間の休みを経てのシリーズ再開。
テキサスはまだ建設されて20年ほどですが、NASCARカップ・シリーズは年に2回開催され、その1戦は終盤の“プレーオフ”に含まれるなど重要なコースです。1周は1.5マイルでNASCARとしては平均的ですが、バンク角が24度と高く、予選での1周平均速度は300km/hをゆうに越える超ハイスピードコースです。
テキサスは北米トヨタ(TMNA)の本拠地が位置しており、トヨタにとってはホームレースでもあります。このテキサスでトヨタはカップ戦過去5勝。うちカイル・ブッシュが2勝、デニー・ハムリンが2勝を挙げています。
8日(日)午後1時14分、1.5マイルオーバルを85周、85周、164周の3ステージ合計334周(501マイル:約800km)して競われる決勝レースがスタート。3周目に早くも多重クラッシュが発生し、14番手スタートのダニエル・スアレツが巻き込まれてしまいました。
再スタート後、序盤戦はハムリンがトヨタ勢を引っ張り、45周目には首位浮上。しかし、グリーンフラッグピットストップ時にピットロードのスピード違反を取られ、周回遅れになってしまいました。
このグリーンフラッグピットを終えた時点で、マーティン・トゥルーエクスJr.が2位、カイル・ブッシュが3位へ浮上。首位を追ったトゥルーエクス・Jr.でしたが、ステージ1終了間近の79周目にタイヤバーストに見舞われ壁にクラッシュ。ここまで直近の5戦全てでトップ5フィニッシュを果たしてきたトゥルーエクス・Jr.でしたが、今季初のリタイアを余儀なくされてしまいました。
このアクシデントにより出されたイエローコーションで、ハムリンは“ラッキー・ドッグ(コーション発生時に周回遅れの最上位車両が首位と同一周回に戻れる救済措置)”を獲得。
ステージ1はそのまま終了することとなり、カイル・ブッシュが2位。21番手スタートから見事な追い上げを見せたエリック・ジョーンズがトップ10に入りました。
ステージ2ではカイル・ブッシュが首位争いを展開。後半には実兄のカート・ブッシュ(フォード)との争いとなりましたが、これを制し、カイル・ブッシュが今季2度目のステージウィン。ボーナスポイント(ステージでのトップ10に順位に応じて与えられる)に加え、貴重なプレーオフポイント(ステージウィナーに1点、レースウィナーに5点。プレーオフ時にも持ち越すことが出来る)を獲得しました。
エリック・ジョーンズはトップ5圏内をキープし5位。周回遅れから脱し、ピットペナルティを受けながらも追い上げたハムリンが9位に入りました。
ステージ3は、再スタート前のピットで好作業に助けられエリック・ジョーンズが首位浮上。カイル・ブッシュと共に1-2体制で再スタートを切ることに。しかし、再スタートが切られて間もなく、集団の中でバトルを繰り広げていたハムリンがバランスを崩しスピン。後続は大混乱となり、レースは赤旗中断に。ハムリンはここでレースを終えることとなりました。
レース再開後もエリック・ジョーンズが首位をキープ。ややポジションを落としたカイル・ブッシュでしたが、じりじりと盛り返し、241周目、コーションからの再スタートでエリック・ジョーンズをかわして首位を奪還。
終盤戦、今季3勝と圧倒的な強さを見せるケヴィン・ハーヴィック(フォード)の猛追を受けることとなりましたが、カイル・ブッシュはこれを凌ぎ切り、トップチェッカー。今季、2位3回と惜しいところを走りながらも、なかなか勝利に手の届かなかったカイル・ブッシュが、ようやく今季初勝利を挙げました。この勝利でカイル・ブッシュは第5戦で勝利を挙げたマーティン・トゥルーエクスJr.に続き、トヨタ勢2人目の“プレーオフ”出場をほぼ確定しました。
レースを通してトップ5圏内を走行し、64周にわたって首位を走るなど活躍を見せた、カップ・シリーズフル参戦2年目の21歳エリック・ジョーンズは今季最上位となる4位フィニッシュとなりました。
次戦第8戦は4月15日(日)、米国南部テネシー州ブリストルのブリストル・モーター・スピードウェイで行われます。
ドライバー カイル・ブッシュ
「今日の素晴らしい勝利は間違いなくチームの努力のおかげです。総合的に見れば、多分彼(ケヴィン・ハーヴィック:フォード)の方がやや速かったと思います。しかし我々は全てを確実にこなし、彼にチャンスを与えませんでした」
「第2戦からずっと良いところを走り、2位には3度もなっていながら、なかなか勝てずフラストレーションもありましたが、ようやくヴィクトリーレーンに乗れて最高の気分です。これでやっとプレーオフへのチケットを手にすることが出来ました」
「とはいえ、まだこれからも、ポイントリーダーの座を守るべく、長い残りのレースを戦い続け、更にプレーオフポイントを獲得していかなければなりません」
NASCAR XFINITY SERIES
第6戦 My Bariatric Solutions 300
開催日:4月7日
クリストファー・ベルが2位フィニッシュ
4月7日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第6戦『My Bariatric Solutions 300』がテキサス・モーター・スピードウェイで開催されました。
7日(土)午後12時16分に1.5マイルオーバルを45周、45周、110周の3ステージ合計200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。予選で3番手グリッドを獲得したブランドン・ジョーンズが好スタートで2位へ。13番手、18番手とやや後方スタートとなったライアン・プリースとクリストファー・ベルも着実にポジションを挙げていき、ステージ1はブランドン・ジョーンズが2位、プリースが4位、ベルが10位と3台揃ってのトップ10入りを果たしました。
ステージ2ではベルが目覚ましい追い上げを見せ、2位へと浮上。ステージ2終了間際の78周目に出されたイエローコーションで、上位を走行していたベルとプリースはピットに向かいましたが、コース上に残る作戦を採ったブランドン・ジョーンズが首位に立ち、再スタート後もポジションを守ってステージ2を制覇。貴重なプレーオフポイント(1点)を獲得しました。
ステージ1は2位、ステージ2で1位と速さを見せたブランドン・ジョーンズでしたが、ステージ3の再スタート直後、バランスを崩してリアから壁に激しくヒット。そのままガレージへ向かうこととなり、惜しくも戦線離脱となりました。
ステージ2終盤のピット作戦でポジションを落としていたベルとプリースは、イエローコーションが出ない展開の中でじりじりとポジションを上げていき、残り50周の時点でベルが3位、プリースは6位まで浮上。
その後、ベルは更なる追い上げを見せ、2位へとポジションを挙げると、2秒ほどの差で首位の車両を追いました。
しかし、惜しくも届かず、2位でチェッカー。今季2度目の2位、6戦中4度目のトップ5フィニッシュとなりました。プリースは5位でチェッカーを受け、今季参戦2戦目にしてトップ5フィニッシュを果たしました。
次戦第7戦は4月14日(土)、ブリストル・モーター・スピードウェイで行われます。
ドライバー クリストファー・ベル
「2位フィニッシュを果たせるだけの車両に仕上げてくれたことを誇りに思います。昨日の練習走行を終えた時点では、2位に入れるとは思っていませんでした。チームは最高の仕事をしてくれています」
「毎週、練習走行から更に進化したトヨタ・カムリを用意してくれるチームと共に戦えること、ドライバーとしてそれ以上の望みはありません。あとは私がみんなの期待に応えるだけです」