5月26日から全国で公開される映画『ゼニガタ』の予告編と新たな場面写真が公開された。
表向きは居酒屋だが、深夜0:00から「10日で3割」という違法な高金利で金を貸し付け、苛烈な取り立てで債務者を追い込む闇金業を始める「ゼニガタ」を舞台にした同作。店主を務める銭形兄弟の兄・富男役を映画初主演を果たす大谷亮平が演じ、弟・静香役を小林且弥が務める。
予告編では、富男が居酒屋で客から金品を巻き上げるシーンや、「芋が育たなければ、身体を売る」という条件で、銭形兄弟から金を借りた脱サラ債務者・真田留美役の安達祐実が畑を耕す場面などが確認できる。
あわせて公開された場面写真では、剣持八雲役の田中俊介が札束のベッドで眠る様や、早乙女珠役の佐津川愛美が大量の札束を抱きかかえる場面が写し出されている。
綾部真弥監督は「闇金というジャンルの作品でありながら、一地方都市を舞台にした人間ドラマや現代のお金にまつわる時代性を感じさせられ、登場人物それぞれが抱える苦悩や葛藤が幾つもあり、誰もが理屈抜きに楽しめる作品になるようにしたいと思いました」「出来るだけエンターテイメント作品として、お金・お札が出てくる描写は派手にするのと、お金の“重み”を感じさせられるように工夫しました」と語っている。
■綾部真弥監督のコメント
・映画の企画について
率直に面白い企画だと思いました。闇金というジャンルの作品でありながら、一地方都市を舞台にした人間ドラマや現代のお金にまつわる時代性を感じさせられ、登場人物それぞれが抱える苦悩や葛藤が幾つもあり、誰もが理屈抜きに楽しめる作品になるようにしたいと思いました。
・「金」と「欲望」というテーマについて
出来るだけエンターテイメント作品として、お金・お札が出てくる描写は派手にするのと、お金の“重み”を感じさせられるように工夫しました。この作品の登場人物は、皆、得体の知れない欲望に悩んでいる人ばかりです。その出口なき欲望や不満の解消の仕方が、作品全体としてのうねりやパワーになるようにしました。
・大谷亮平について
周りの人物があくせくと動き回るのに対し、常にブレない大谷さんの存在が心強く、共に銭形富男という人物を作り上げていく作業は楽しかったです。そして、そんな富男の心の闇が一番深いという事にお互い気付いていったのが、演出した上での大きな収穫でした。
・キャストの演出について
どの作品でもそうですが、キャストの芝居に理屈じゃない生々しい感情が伴うように演出しました。また、今、その時でしか出来ない芝居や、瞬間を切り取れるよう撮影時は心掛けています。
・現場での苦労について
撮影時はとにかく天候に悩まされました。10日間以上も雨が降り続き、最終日には台風直撃という、経験したことがないような天候でした。ただ雨の影響で場所を変更して撮影したのが、どの下りも予定していた場所より良くなったのと、常に地面などが濡れていて、作品世界としては艶が出たのが良かったと思います。
・『ゼニガタ』を観てほしい人
やはりお金に苦労した経験のある方でしょうか。登場人物それぞれが、今いる場所から抜け出すために滑稽に突き進む姿が快感に感じて頂きたいです。また、兄弟、父子、友人などの関係性や距離感に注目して下さい。