2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて、飲食店では屋内禁煙の動きが強まっている。これまでに大手外食チェーン店の「ロイヤルホスト」「マクドナルド」などが実施しているが、居酒屋も例外ではなくなりそうだ。
居酒屋チェーン店の串カツ田中は、6月1日から全席禁煙化、また一部店舗は階に応じて喫煙・非喫煙を分けるフロア分煙化を行う。対象店舗は立飲み3店以外の約180店。同社は「ほぼ全店で禁煙化するのは、居酒屋チェーンでは初となります」とコメントしている。
「店舗で働く従業員の受動喫煙もなくなり、労働環境も改善すると考えております」
禁煙化に踏み切った背景は、子ども連れへの配慮や、東京五輪に向けた受動喫煙防止対策の実施などがある。
串カツ田中は現在、ほぼ全店で全席喫煙可な上、利用客には愛煙家も多いという。しかし、子供連れの家族客も多く、喫煙可の店内に違和感を覚える意見は多く上がっていたという。
今年4月から施行された「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」では、都民の責務として「いかなる場所においても、子どもに受動喫煙をさせることのないよう努めなければならない」と記されている。現在都内に構える92店舗に条例の内容を反映させ、「お子様サービスを充実している串カツ田中の在り方を再検討」したという。
同社は、全面禁煙化で「店舗で働く従業員の受動喫煙もなくなり、労働環境も改善すると考えております」とコメント。更に
「店内の面積は平均約66平方メートルと狭いため、喫煙ルームを設置することは現時点では検討しておりません」
と、本格的な禁煙化を実施する方針を明らかにしている。今回の取り組みについては
「新しい客層を取り込むきっかけだと期待しつつ、既存のお客様にも今まで以上に楽しんでもらえるサービス向上に取り組んで参ります」
と述べていた。