海賊版サイト「漫画村」が4月11日からアクセスできなくなった。Googleの検索結果ページにもトップページが表示されなくなっている。
4月11日に放送された「Abema Prime」では、今回の騒動について、街頭の大学生にインタビューを実施。漫画村を利用したことがある学生たちが、悪びれる様子もなく"漫画村が閉鎖して困る"と発言する姿に「罪の意識がないのかね」と批判が集まっている。
「『あるものを利用して何が悪いの』という意識なのでしょう」
漫画村はかねてから批判を浴びており、2018年2月には日本漫画家協会が利用をやめるよう呼びかける声明文を発表した。政府も、漫画村を含む海賊版3サイトへのアクセスを遮断するようプロパイダーに要請する方針だと報じられていた。
しかし、同番組の街頭インタビューを受けた大学生たちは、次のように話しており、漫画村が問題であるという意識を持っていないことが伺える。
「(閉鎖は)悲しい…悲しいみたいな。どうしようこれからみたいな」(18歳、女性)
「(閉鎖は)困ります。無料で見れたのはありがたかったんで。違法って知ってても見ちゃうっていうのはあったので」(18歳、男性)
こうした発言について、ツイッターでは「『タダで当たり前』なんて思想が広まったら漫画自体が無くなりますよ」といった批判が出ていた。
ITジャーナリストの井上トシユキさんは、海賊版サイトを利用する若者について「ネット上のコンテンツは無料か、きわめて低コストだというイメージを持っている」と指摘する。
「若い人たちは著作権について知らないわけではありません。コンテンツは無料ではできないということも理解しています。しかし漫画村が違法かどうかはっきりしていないこともあり、『あるものを利用して何が悪いの』という意識なのでしょう」
しかし海賊版サイトが蔓延すれば、結局はユーザーが損をしてしまう。
「コンテンツをつくる人たちに適切な報酬が支払われなければ、作り手がいなくなってしまいます。文化が衰退して、良質なコンテンツが見れなくなるのです。海賊版サイトはダメだという認識が広がり、きちんと費用を負担して楽しむようにならないといけません」
「漫画村を燃やします」 バーチャルユーチューバーが閉鎖に追い込む?
漫画村にアクセスできなくなった原因は何か。フリーライターの篠原修司さんは4月11日付のヤフー!個人で、カナダのハーレクイン社と、アメリカに本社を置くハーパーコリンズ・パブリッシャーの日本法人、ハーパーコリンズ・ジャパンがグーグルに対して著作権侵害の申立を行い、受理されたからだと指摘している。
これによりグーグルとグーグルの検索エンジンを利用しているヤフー!ジャパンの検索結果から表示されなくなったという。
ネットでは、バーチャルユーチューバーが何らかの関与をしたためではないかという憶測も飛んでいる。「深層ウェブ」からやってきたというバーチャルユーチューバー「ディープウェブ・アンダーグラウンド」さんは、騒動が起こる前日の4月10日、自身のユーチューブチャンネルで「漫画村を燃やします」と宣言。
4月11日には、公式ツイッターで「漫画村潰し成功ですわね」とツイートしていた。このバーチャルユーチューバーと漫画村閉鎖に関連があるかどうかについては、まだ明らかになっていない。