厚生労働省は4月11日、昨年10月1日時点の全国の待機児童数が5万5433人だったと発表した。2016年の同月と比べると7695人増加していて、このうち「0歳児」が6798人と、約9割を占める。
人数増加には、これまで自治体ごとにバラバラだった「待機児童の定義」を見直したことが影響したと見られる。たとえば、以前は「親が育児休業中の場合は待機児童としてカウントしない」としていたが、今回からは、育休中でも復職の意思がある場合は含めるよう変更になった。
都市部に保育需要が集中 東京都では待機児童1万2469人
昨年10月1日時点の待機児童数は、同年4月1日時点の2万6081人と比べると、ほぼ倍増している。産休や育休が年度途中に終了した場合、入園を希望しても受け入れられないケースが多いためと考えられる。
保育園側の受け入れ体制は4月に向けて整備されるため、年度途中での入園は難しいのが現状だ。待機児童の数が年度末にかけて増える傾向があるのは、このためだ。
都道府県別で見ると、待機児童の数は「東京都」が1万2469人で最も多く、全国の約22%を占めている。2位以降は以下の通り。
2位「神奈川県」(4411人)
3位「埼玉県」(4263人)
4位「沖縄県」(396人)
5位「大阪府」(3922人)
6位「千葉県」(3664人)
7位「兵庫県」(3300人)
市町村別では「横浜市」が1877人で最多。2位は「さいたま市」(1345人)で、その後「大阪市」(1335人)、「札幌市」(946人)、「岡山市」(652人)と続く。保育需要は都心部に集中している。
なお、今回発表された10月1日時点での待機児童数は、自治体ごとに入園手続き等が異なるため、参考値として集計されている。全国的な待機児童数の動向は、毎年4月1日時点の数で把握している。