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WRC参戦に向けた一歩となるか。俳優の哀川翔、6年ぶりにアジアクロスカントリーラリー参戦

2018年04月12日 15:51  AUTOSPORT web

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哀川翔がドライバーとして6年ぶりにアジアクロスカントリーラリーに参戦する
俳優でラリードライバーの哀川翔は4月12日、2018年のAXCRアジアクロスカントリーラリーへ参戦すると発表。また、TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジにも参戦する。

 1984年に一世風靡セピアの一員として芸能界デビューを果たした哀川は、その後も歌手や俳優などマルチに活動を続けている。

 また2008年には映画『SS エスエス』の撮影をきっかけにラリーの魅力にハマり、ラリーチーム『Show Aikawa World Rally Team』を発足。同年のWRC世界ラリー選手権、ラリー・ジャパンに参戦し、N3クラス制覇を成し遂げている。

 2011年には自動車販売・買い取り事業などを行うFLEX(フレックス)とタッグを組んで『FLEX SHOW AIKAWA Racing』としてAXCRへ参戦。参戦2年目にはクラス優勝を上げるなど、ラリードライバーとして実力を発揮した。

 そのほかパイクスピーク・ヒルクライムなどにも参戦したが2013年からは監督業に専念してきた哀川。しかし、2016年からGAZOO Racingラリーチャレンジに参戦してドライバー復帰を果たしている。

 そんな哀川は今シーズン、6年ぶりにAXCRへ参戦。フレックスの支援を受けて、タイとカンボジアを舞台に8月12~18日に行われる2018年大会にトヨタ・ランドクルーザー・プラドで参戦する。

 コドライバーを務めるのはJRC全日本ラリー選手権で9度の王者に輝き、これまでも哀川の活動をサポートしてきた奴田原文雄だ。

 なお哀川と奴田原のコンビは近年人気を博している参加型ラリーのTGRラリーチャレンジにも参戦を予定。4月22日の第2戦八ヶ岳・茅野を始め、スケジュールが許す限り参戦するという。

■ラリー歴10年目の哀川翔、「自分の思い通りにいかないところがラリーの魅力」

 12日、東京都内で行われた体制発表会に登壇した哀川は「出るからには目一杯いく。まずは(ゴール地点であるカンボジアの首都)プノンペンまで完走。そしてできれば上位入賞を果たしたい」と意気込みを明かした。

「ドライバーとしては6年ぶりの参戦で、(特に)町中での走行を楽しみにしてますよ。(タイ・)パタヤでのスタートはワクワクしますね。日本では味わえない雰囲気ですから」

「(参加者の)半分は完走できないラリーだから、まずは完走をテーマに据えたい。その上で優勝を狙っていく。完走ならびに優勝を目標にしています」

「モチベーションは前回より上がってますよ。(前回参戦した時よりも)クルマの(挙動を感じる)感性も上がってるので、いい結果が出ると思います。今年はラリーを戦い始めて10年目なので、いい節目になると思います」

「ラリーは難しくて自分の思い通りに行かないところが魅力かも知れない。やれるとこまでやってやろうと思う。できれば楽しみながら(戦いたい)ね」

「初めて走った時は(あまりの過酷さに)最終日に熱が出てしまった。ただ2回目は悪路に(体が)順応しだした感じがありましたし、コースにある”穴”への対処法も感覚で覚え始めた。まだその感覚が残っているので、(6年ぶりの参戦でも)問題ないかなと思ってます」

 哀川の走りをサポートする奴田原は「モータースポーツは走りきるのが第一。ラリーはサーキットレースと違ってライバルが見えないから、自分との戦いになります。そのなかで自分のベストを出してベストリザルトを狙いたいですね」と期待を示した。

 2017年にトヨタがWRCへ復帰参戦し、2019年にはWRC日本ラウンド『ラリー・オブ・ジャパン』の開催準備も進められていることもあり、国内でもラリー競技への人気・注目は高まっている。先日にはTGRラリーチャレンジに元SKE48の梅本まどかさんが参戦を表明したばかりだ。

 今回具体的な言及はなかったが、哀川はラリー・ジャパンへの参戦経験があるだけに、2019年のラリー・オブ・ジャパンへの参戦も充分に考えられる。今回のTGRラリーチャレンジ、AXCR参戦は哀川のWRC“復帰”へ向けた指標になるかもしれない。