フランスの自動車・航空機日部品メーカーのメカクロームは2020/21年に導入予定の新たなLMP1クラスレギュレーションを見据え、プライベートチームでも購入可能な価格帯でハイブリッドシステムを提供する準備を進める意向を明らかにした。
メカクロームはFIA F2やGP3にエンジンを供給しているほか、2018/19年のWEC“スーパーシーズン”に向け、LMP1用3.4リッターV6シングルターボエンジン『V634P1』を提供している。
同社は先日、ENATAマリーンと協力してモーターボート用ハイブリッドシステムの開発に成功。このシステムは水中にあるプロペラ部に搭載できるほどコンパクトなものになっている。
このシステム完成を受けて、メカクロームはLMP1向けのハイブリッドシステム開発を手がけることを表明。議論が活発化している2020/21年LMP1レギュレーションを見据えて開発を進めるという。
メカクロームは、このハイブリッドシステムを各マニュファクチャラーによる独自の要求に対応できる柔軟性を持たせながらも、プライベートチームでも手が届くものにすることを狙っていくとした。
メカクローム・モータースポーツのディレクターを務めるブルーノ・エンゲリックは「LMP1の将来については(6月の)ル・マンでアナウンスが行われる。我々は状況を細かくチェックしているし、将来的なチャレンジを楽しみにしている」とコメントしている。
「ここ数年でハイブリッド技術は自動車業界において、大きな位置を占めるものになった。そしてモータースポーツがこの技術を前進させることは極めて重要なんだ」
「ENATAとのプロジェクトのなかで、モータースポーツに転用できそうなアイデアやコンセプトが多くみつかった。そういったプロジェクトにかかわるチャンスがないか楽しみにしている」
「LMP1を例に挙げれば、ハイブリッドシステムに精通したエキスパートたちがいれば、自分たちでハイブリッドパワートレインを開発したことのないマニュファクチャラーと、マシンへの実装を含めたパートナーシップを結べるかもしれない」
「また我々がハイブリッド技術に取り組むもうひとつの理由は、プライベートチームの支援だ。いま、予算の小さいチームがハイブリッドを使用するための選択肢は用意されていない」
「だから、メカクロームとして手頃な価格で購入でき、パフォーマンス面でアドバンテージが得られるようなパッケージを用意したいんだ」