ルイス・ハミルトンは、彼とメルセデスF1はレース中のチーム無線でのコミュニケーションを改善していく必要があると述べている。
バーレーンGPでは、チームのピットウォールから与えられる情報が不十分であることに、ハミルトンは不満を抱いていた。彼はレース後半にどれだけプッシュするべきなのか、レースエンジニアから明確な答えを得られずにいたという。
「25秒速い相手に追いつこうとしていた。タイヤを傷めることなく、相手に最後に追いつくために何をしたらいいのかを、正確に把握するのは難しいことだ」
「序盤にどれだけハードにタイヤを使っていいのかが、よく分からなかったんだ」とハミルトンは説明した。
しかしピットウォールも、ハミルトンがレース中に必要としていた答えを常に持っているわけではなかった。チームも、フェラーリがセバスチャン・ベッテルにどのような戦略を採らせるのかについては明確に把握してはいなかったのだ。
「ある時点で(フェラーリは)ツーストップ戦略を採るのだろうと考えていた。ワンストップで最後までいくなんてありえないからね」
「(ツーストップの場合)最後に彼が僕に追いつこうとしたときに戦えるように、タイヤを温存させなければならない」
問題の大部分は、ハミルトンのマイクの技術的トラブルにあったことに起因していた。ピットウォールはハミルトンから必要な情報を得るのに苦労していたのだ。
「無線が正しく動いていなかった。チームには僕の声が届いておらず、レース中に苛立ちを感じることが何度かあった」
「チームは僕の声が聞こえなかったんだ。僕には彼らの声が聞こえたけど、彼らはいつも『聞こえない』と返事をしてきた」
「感情が高ぶっているときは、どういう情報を与えたらいいのか分かりにくい。コーナーを出るときにフィードバックを返そうとすると、完璧なラインでドライブしようとする集中力が削がれてしまう」
結果として、レースが進むにつれてハミルトンは苛立つようになっていた。オーストラリアGPでも、計算ミスによってバーチャルセーフティカー導入中にベッテルにオーバーテイクされていたハミルトンは、そもそも腹を立てていたのだ。
「今は最低レベルだ。コミュニケーションの重要性が強調されることになった」とハミルトンは話し、以下のように続けた。
「こうした小さなことが7ポイントの差を生み出すこともある。フェラーリに負けるわけにはいかないレースだったのに」
「前戦の僕たちは優勝してしかるべきだった。どういうレース運びをするか、どうコミュニケーションを取るかについて苦戦しているうちに、負けてしまった」
ハミルトンは、彼と彼のレースエンジニアを務めるピーター・“ボノ”・ボニントンが、次戦中国GPを前に、2018年のこれまでのレースで何が起きたか見直しをすることになると語った。
「腰を据えて話し合い、問題点についての作業を行ない、向上を図ることになるだろう。必ずね」とハミルトン。
「ドライバーによって好むフィードバックは違う。僕は多くを必要とはしていないけど、さらに多くのフィードバックが必要なときもある」
「必要でもないのにしょっちゅう僕に話しかけてほしくはない。一番うまくいく関係性を作り上げていこうとしている」