予選のミスを大挽回、川合は怒涛の追い上げで2戦連続8位入賞!
ルーキー小倉も初戦を走りきる
FIA-F4選手権
第1戦・第2戦
4月7日(土)~4月8日(日)
岡山国際サーキット
3.703km
ル・ボーセ・モータースポーツがスーパーFJ、スーパー耐久と併せ挑む、FIA-F4選手権シリーズの第1大会が、4月7日(土)、8日(日)に岡山国際サーキット(岡山県)で開催された。今シーズンは昨年のスーパーFJもてぎシリーズチャンピオンのルーキー小倉祥太に62号車を、そして3シーズン目を迎える川合孝汰に63号車を託し、全7大会14戦を戦っていく。
予選
4月7日(土)
天候/曇り コース状況/ウエット
4シーズン目のFIA-F4が、例年どおり岡山国際サーキットでスタートした。木曜日から金曜日にかけての専有走行では、両日とも川合が総合トップにつけ、小倉も8番手、3番手と初レースのドライバーとしては最上位となり、ともに充分な手応えを見せ、上々のスタートを切った。
予選は未明まで降り続いていた雨の影響で、路面の一部はまだ濡れていたが、ほぼ全車がドライタイヤを選択。それぞれ走りこむことで、後半にコンディションが回復するのは明らかだったことから、川合、小倉ともどもピットで待機することなく早々に走行を開始したが、途中二度の赤旗中断で満足にアタックすることが許されない。
多くのライバルが2周以上のアタックラップを記録したが、二人とも赤旗のタイミングにより1周しかアタックができず、より多く周回できた者が上位となる結果になった。
決勝 第1戦
4月7日(土)
天候/曇り コース状況/ドライ
川合は好スタートを切って、早くも数台を捕らえながら1コーナーに飛び込んでいき、前方の混乱を避けながらアトウッド、ヘアピンで1台ずつ攻略し18番手、小倉はスタート時の回転不足で出遅れ、15番手で1周目をクリアする。
その後も川合の勢いは止まらない。前を行く車両を次々と捕らえ、9周目にはファステストラップを記録するとともに、11周目にはペナルティを受けた車両の後退で11番手に浮上すると、その翌周には待望の入賞圏へと突入する。さらに13周目のヘアピンではまとめて2台をかわし、13台抜きの8位でのフィニッシュに成功した。
一方、小倉は2周目のヘアピンで接触があり、フロントウイングの翼端板を損傷、そのことによる空力の乱れはほとんどなく、その後もポジションアップを狙うが、抜ききれず、小倉のFIA-F4デビュー戦は、入賞まであと一歩の13位に終わる。
決勝 第2戦
4月8日(日)
天候/曇り コース状況/ドライ
第1戦で13台抜きを果たしていた川合は、またもスタートを決めるとともに、その後も随所でオーバーテイクを果たし、1周目のうちに15番手にまで浮上する。一方、小倉も2ポジションアップに成功、揃って上々の滑り出しを見せる。
その先も川合の勢いは止まらず、7周目には小倉をかわした勢いで、続いて8番手を争う集団にも追いつき、今度はチャンス到来を待つことに。10周目には10番手に浮上し、その後も12周目まで1周1台ずつ抜いて8番手にまで駆け上がる。
さらにもう1台をかわそうとしたものの、最後はコンマ3秒及ばず。しかし、予選の苦境からはい上がって、2戦連続の入賞を果たすとともに、貴重なポイントの獲得に成功した。
小倉は昨年まで戦っていたスーパーFJとは異なり、前のクルマに近づきすぎるとダウンフォースが抜けて、姿勢が不安定になってしまいがちなFIA-F4の洗礼を受けていた。バトルを繰り広げつつ逆転の機会を待つも、14位でのフィニッシュとなったが、スーパーFJとは台数も周回数も多い戦いの中で初戦を走り切った。
しかし、今回明らかになったのは、川合が重ねてきた経験なりの、小倉はルーキーなりの、それぞれ確実な速さを備えていることだ。5月3~4日、富士スピードウェイで行われる第2大会では、その速さにより一層の磨きをかけて、さらなる高みを望むことが期待される。
コメント
チーム監督 坪松唯夫
事前テストからクルマの感触も良く、自信を持って臨めた大会だった。デビュー戦の小倉はチームメイトのタイムに刺激を受けながら、確実にタイムを詰めて行った。スキルに関しては申し分無く、後はしっかり経験を積んでいく事が大切だ。
川合は全てにおいて速さがあったが、予選でのペナルティで勝ちを逃してしまった。だが、ふたつのレースとも、予選での大きなミスを引きずること無く、入賞圏内まで追い上げた。次は勝ちを期待しよう。
Driver 小倉祥太
予選は自分の力を全然出しきれなくて、この周アタックしようというタイミングで赤旗が出続けてしまいました。決勝も第1戦はスタートで回転が落ちすぎて、1コーナーで2台ぐらいに抜かれ、そこからバトルになってヘアピンで抜こうとした時に相手と接触があって、フロントウイングの翼端板を損傷してしまいました。
その後もメンタル面に不安定な部分があったと思います。第2戦はスタートが決まって1周目のうちに2台を抜けて、それからはバトルを仕掛けたのですが、抜ききれませんでした。F4の方がスーパーFJよりダウンフォースのある分、後ろについた時の抜けが大きかったので、そのあたりを今後もっと見極めていきたいと思います。
Driver 川合孝汰
予選は完全に自分の責任です。非常にもったいなかったです。土曜日の決勝はスタートをうまく決められて、まわりの状況を見ながら1コーナーには、外のラインを選んで行ったのですが、選んだ場所が悪く、縁石をまたぐ形で、抜いたクルマにまた抜かれてしまいました。
それでもブレーキングで詰められたので、ヘアピンで何度も抜けましたし、ファステストラップも出るぐらいクルマのバランスは良かったので、最初の位置取りは反省すべき部分でした。
そんな反省から日曜の決勝は本当にロケットみたいなスタートができましたし、相手のミラーに見せる距離感をしっかり考えて挑んでみたら、それがドンピシャに決まりました。1周目に8台抜いてこられたのが、また8位まで追い上げられた理由だと思います。
自分の走りもクルマに合ってきて、トップ争いができる状態になりましたから、しっかり無駄なく次の富士から上で戦えるよう、準備していきたいと思います。