MotoGP第2戦アルゼンチンGPのMotoGPクラスの優勝争いは、ホンダとヤマハのプライベーターライダーの一騎打ちとなった。ヨハン・ザルコ(モンスター・ヤマハ・テック3)は最終的に2位表彰台で、カル・クラッチロー(LCRホンダ・カストロールロール)にウイナーを譲ったが、困難な決勝レースにあっては満足のいく結果だったようだ。
「本当に難しいレースだった」とザルコはアルゼンチンGP決勝レースを振り返る。天候とコースコンディションの変化により、MotoGPクラスの決勝レースはスタートに混乱が生じた。
レインタイヤからスリックタイヤを変更すべくほぼすべてのライダーたちがピットに戻り、再開されたスタート進行ではピットに戻らなかったジャック・ミラー(アルマ・プラマック・レーシング)の優位を残す形でそれ以外のライダーが後方グリッドに並んだ。
ザルコはスタートディレイについて「最終的には、全ライダーにとってよかったんじゃないかな」と語っている。
その後スタートしたレースでも、コースコンディションは完全なドライとは言い難い状況だった。1周目、ザルコはダニ・ペドロサ(レプソル・ホンダ・チーム)にオーバーテイクを仕掛け、ラインを外したペドロサがハイサイドを起こし転倒を喫している。
「最初からレコードラインは選べるほど多くなかったね。でもダニの後ろに着いたとき、前をふさがれたように感じたんだ。だからオーバーテイクしようとしたんだけど、このコンディションのせいでほんの少しだけ膨らんでしまったんだよ」
「でも、ダニを抜くにはそれしかなかったんだ。彼がクラッシュしてしまったのには、申し訳ないとは思うけれど」
この転倒によりリタイヤとなったペドロサは右手首を負傷したようだ。「今は右手首がとても痛む。火曜日にバルセロナで診察してもらうつもりだ」とコメントしている。
そんな難しいレースのなかで、ザルコはスタートからトップ集団で走行し、終盤にはレースをリードする場面もあった。それでも「ほとんど転倒しかかっていたんだ。最初から最後まで最大限の力を出しきった」とやはり簡単ではないレースだったことを明かした。
最終的に2位に甘んじたことについては「カルと戦って、ミスをしたくなかった」からだという。「だからカルは今日のウイナーにふさわしいよ。僕も2位表彰台を獲得できて、本当にうれしく思ってるんだ!」
2017年シーズンから印象的な速さを見せていたザルコ。早くも表彰台に上った2018年シーズンは、ヤマハのファクトリーチームであるモンスター・ヤマハ・MotoGPを上回ることになるのだろうか。